どうも、管理人の「みゆ」でございます。画像は「そるじゃぁ・ぶるぅ」君ですが。
ハレブル別館に置いてる、拍手御礼ショートショート。
月に一回入れ替えてますが、諸事情あってハレブル別館には置けませんでした。
流れ去ったショートの再録場所が要るんだよね、と前から一応、思っていたです。
この際、置き場所作ってみるかな、と作ってみました。
書き下ろしショートも置いてますから、のんびり遊んで下さいね~。
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※書き下ろしショートの時間軸には「順番」は全くありません。![]()
何処から読んでも無問題ですv
拍手その1・それぞれの場所:いつも座る席を取り替えたら…。
拍手その2・毎日が幸せ:毎日が幸せなブルー君。
拍手その3・考え事:ハーレイの声を聞いていたら…。
拍手その4・帰っちゃ嫌:ハーレイが家に帰るのは嫌。
拍手その5・熱々の季節:暑い夏でもくっつきたい!
書き下ろし1・ハーレイのスープ:ブルーのために作る野菜のスープ。
書き下ろし2・恋人が出来た:思いがけずも出来た恋人。
書き下ろし3・痛かったけれど:痛かったけれど、聖痕は宝物。
書き下ろし4・洗車 :ハーレイ、愛車を洗うの巻。
書き下ろし5・断られたキス:再会のキスも出来なかったなんて…。
書き下ろし6・軽すぎるペン:羽根ペンが軽すぎる、慣れないハーレイ。
書き下ろし7・眠っていたから:ハーレイのベッドに瞬間移動が出来たのに…。
拍手その6・足音:ハーレイの足音は分かるのです。
書き下ろし8・再会:ブルーが起こした聖痕現象、ハーレイ視点。
書き下ろし9・魔法のスープ:ハーレイが作ってくれる野菜スープの魔法。
書き下ろし10・腕で作る輪:腕で作る輪、それに収まるブルーの身体。
書き下ろし11・夢みたいだけど:今の身体に生まれ変わったブルー。
書き下ろし12・大好きの言葉:ハーレイに何度も言いたい「大好き」。
書き下ろし13・船と車と:シャングリラよりも車が似合いのハーレイ。
書き下ろし14・小さな手だけど:小さな手でも、ブルーの右手は幸せ者。
書き下ろし15・チビでも愛しい:どんなにチビでも、愛しいブルー。
書き下ろし16・恋人は先生:恋人が先生だなんて、絶対に内緒。
書き下ろし17・いじらしい敬語:学校ではハーレイに敬語なブルー。
書き下ろし18・学校とブリッジ:学校とブリッジは似ているような…。
書き下ろし19・柔道部は無理:ブルーが柔道部に入れたら…。
書き下ろし20・学校に行きたい:熱を出して学校はお休みなブルー。
拍手その7・小さな躊躇い:床に落としたベリー、食べてもいい?
書き下ろし21・おふくろのケーキ:ハーレイの好物、パウンドケーキ。
書き下ろし22・ママのケーキ :ハーレイのために焼きたいパウンドケーキ。
書き下ろし23・贅沢な朝食 :ハーレイの朝食、前世と比べたらとても贅沢。
書き下ろし24・朝食の風景:食の細いブルー君の朝の食卓。
書き下ろし25・変わっちゃいない:前世も今も、ハーレイはハーレイ。
書き下ろし26・変わってないけど:前世も今も、ブルーはブルー。
書き下ろし27・長袖のワイシャツ:夏でも長袖のハーレイ、前世のせいかも?
書き下ろし28・みんなと同じ服:今のブルーの制服は、他のみんなと全く同じ。
書き下ろし29・気に入りの書斎:ハーレイの書斎、実はキャプテン・ハーレイ好み?
書き下ろし30・帰りたい部屋 :青の間にホームシックなブルー。その理由は?
書き下ろし31・忘れた買い物:買い忘れても大丈夫。そういう世界にいるハーレイ。
書き下ろし32・忘れられた買い物:買い忘れられても、今は大丈夫。ブルーの世界。
書き下ろし33・ぼくがチビでも:「ぼくがチビでも悲しくない?」と訊いたのに…。
書き下ろし34・キャンプ用の椅子:キャンプ用の椅子でブルーとデート。
書き下ろし35・白いテーブル:キャンプ用のテーブルでハーレイとデート。
拍手その8・温もりが欲しい:夏でもハーレイの温もりが欲しい、ブルーの右手。
書き下ろし36・ブルーが足りない:会えなくてブルー不足なハーレイ。
書き下ろし37・ハーレイが足りない:会えなくてハーレイ不足なブルー。
書き下ろし38・久しぶりに会えた:ブルー不足とハーレイ不足な日々に終止符。
書き下ろし39・天の川を泳ごう:ブルーに会うためなら、天の川でも泳ぎ渡れる。
書き下ろし40・天の川の幅:広い天の川でも、ハーレイは泳いで渡ってくれる。
書き下ろし41・天の川を渡って:天の川に隔てられても、会える筈の二人。
書き下ろし42・叶えてやれない:ブルーの願いは叶えてやりたいけれど…。
書き下ろし43・叶えてくれない:願いを叶えてくれないハーレイなんて…。
書き下ろし44・もう一人いれば:一人の夕食。もしもブルーがいてくれれば…。
書き下ろし45・いて欲しい人:一人でおやつ。ハーレイがいてくれたなら…。
書き下ろし46・見られない蛍:去年までなら蛍見物。今のハーレイは…。
書き下ろし47・見てみたい蛍:ハーレイと蛍を見に行けたなら…。
書き下ろし48・飛べないあいつ:空を飛べないブルーが愛しい。
書き下ろし49・飛べないぼく:ハーレイに見せてあげたい、空を飛ぶ姿。
書き下ろし50・あいつの背丈:背丈が伸びなくても、愛おしいブルー。
書き下ろし51・ぼくの背丈:どうして背丈が伸びないのか。ブルーの悩み。
書き下ろし52・ブルー日和:今日のような日はブルー日和、と思うハーレイ。
書き下ろし53・ハーレイ日和:こんな日はきっとハーレイ日和、と思うブルー。
拍手その9・可哀相な動物:可哀相な動物がいるんだけれど、とブルーの主張。
書き下ろし54・歩いてゆける地面:ブルーの所へ歩いてゆける地面。地球の上を。
書き下ろし55・歩きたい地面 :ハーレイが歩いただろう地面を歩きたいブルー。
書き下ろし56・降りそうな天気:雨が降るかも。キャプテンは勘に頼れないけれど…。
書き下ろし57・降りそうだけど:地球に降る雨の最初の一粒。見てみたいブルー。
書き下ろし58・恋人がいるだけで:恋人がいるというだけで浮き立つハーレイの心。
書き下ろし59・恋人がいるから:恋人がいるから、寝込んでも心は幸せなブルー。
書き下ろし60・走ってゆける:思い立ったら、ひとっ走りしに行ける今のハーレイ。
書き下ろし61・走ってゆきたい:ハーレイの家まで走って行けたら、と思うブルー。
書き下ろし62・キスは駄目だ:キスは駄目だと何度叱っても、諦めないブルー。
書き下ろし63・キスが欲しいのに:キスが欲しいのに、くれないハーレイ。
書き下ろし64・今度は掴める:今度は掴めるブルーの手。行ってしまう前に。
書き下ろし65・今度は失くさない:何度でも貰えるハーレイの温もり。
書き下ろし66・ずっと愛してる:生まれ変わっても、愛するのはブルー。
書き下ろし67・ずっと大好き:生まれ変わっても、大好きなハーレイ。
拍手その10・お腹が空かない?:長いことぼくを食べてないでしょ、と訊くブルー。
書き下ろし68・扉を開けたら:家に帰って扉を開けたら、ブルーがいたなら…。
書き下ろし69・扉が開いたら:家に帰って扉を開けたら、ブルーがいたなら…。
書き下ろし70・暑苦しくない:暑い夏でも、暑苦しくない熱の塊。それがブルー。
書き下ろし71・暑くないから:ハーレイにくっついていても、暑くない夏。
書き下ろし72・行くには早いが:ブルーの家に行くには早いけれども、待てない時間。
書き下ろし73・まだ来ないけど:まだハーレイは来ないけれども、早起きしたら…。
書き下ろし74・よく伸びるんだが:ブルーの背丈とは違って、よく伸びる夏草。
書き下ろし75・よく伸びるんだけど:よく伸びるミントが羨ましくても、自分の背は…。
書き下ろし76・脱いでいい靴:一日中、靴を履いていなくてもいい今のハーレイ。
書き下ろし77・脱いでもいい靴:一日中、靴を履かなくてもいい今のブルー。
書き下ろし78・ブルーの笑顔:前のブルーよりも多い、今のブルーの笑顔の数。
書き下ろし79・ハーレイの笑顔:前の自分だった頃から好きな、ハーレイの笑顔。
書き下ろし80・夢だった地球:今のハーレイには当たり前の地球。夢ではなくて。
書き下ろし81・夢に見た地球:前のブルーが夢に見た地球。今のブルーが暮らす星。
書き下ろし82・暑くなっても:暑さは地球の太陽のせい。ハーレイが気付いた今の幸せ。
書き下ろし83・暑いけれども:暑さは苦手でも、地球の太陽。今のブルーは幸せです。
拍手その11・下手くそになった?:キスが下手くそになったんでしょ、と尋ねるブルー。
書き下ろし84・窓の向こうは:ハーレイが窓の向こうに見た朝日。今の地球の夜明け。
書き下ろし85・窓の向こうに:窓の向こうにいつもある地球。今のブルーなら。
書き下ろし86・あの空を旅した:ハーレイが仰いだ夜空。前世で旅をしていた宇宙。
書き下ろし87・あの空を旅して:ブルーが見上げる夜空。前世で地球を探した宇宙。
書き下ろし88・三日月の夜に:今のハーレイが眺める月。前の自分とは違った視点。
書き下ろし89・チビの三日月:月の方が早く育つなんて、とブルーは膨れっ面で…。
書き下ろし90・川を下る船:川下りの船。いつかブルーを乗せてやろうと思う船。
書き下ろし91・川をゆく船:ハーレイと乗りたい川下りの船。大きくなったら。
書き下ろし92・海が似合う夏:いつかブルーと行きたい海。前世で夢見た地球の海へ。
書き下ろし93・夏が似合う海:いつかハーレイと行きたい海。本物の地球の青い海へ。
書き下ろし94・欲しかった羽根ペン:今のハーレイ。羽根ペンが欲しいと思ったら…。
書き下ろし95・あげたい羽根ペン:ハーレイの誕生日にあげたい羽根ペン。どうする?
書き下ろし96・何でも美味い:何でも美味い、と思うハーレイ。多分、前世のせいで。
書き下ろし97・何でも美味しい:好き嫌いが全く無いブルー。きっと、前世のせいで。
書き下ろし98・作ってやりたい:ブルーに作ってやりたい料理。スープの他にも。
書き下ろし99・作ってあげたい:ハーレイに作ってあげたい、好物のパウンドケーキ。
拍手その12・今が食べ頃:ブルー君曰く、今が自分の旬だとか。
書き下ろし100・同じ顔だが:今のハーレイには別の顔。思いもよらなかった顔。
書き下ろし101・同じ顔だけど:前のぼくの顔じゃない、と溜息をつくチビのブルー。
目次・その2: ←102話以降の目次は、こちらv![]()
こちらからも行けます→ http://bluestone.kyotolog.net/Entry/115/
目次・その3:←302話以降の目次は、こちらv
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目次・その4:←518話以降の目次は、こちらv
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※拍手下さった方、ありがとうございます~!![]()
いつか行きたい場所ではあるな、とハーレイは、ふと考えた。
ブルーの家には寄れなかった日の夜、いつもの書斎で。
愛用のマグカップに淹れた熱いコーヒー、それをお供に。
(…地球からだと、かなり遠いんだが…)
それもそうか、と少し可笑しくなった。
遠く遥かな時の彼方で、アルテメシアから地球を目指した。
ミュウと人類の間の溝や戦い、それらを抜きにしても、長い道のりだった。
(最後の長距離ワープにしたって、とんでもない距離を…)
ワープしたんだ、とキャプテンだったからこそ、鮮明に分かる。
あの時のワープの出発地点は、アルテメシアよりも、ずっと地球に近かった。
(今の時代の船で行っても、地球から行くには、ワープを数回…)
繰り返さないと無理だ、と分かっている。
前の生での記憶が戻って来た後、何度も見たのが「アルテメシア行き」のツアー広告。
どのくらいの日数で行けて、何処を見て回る旅になるのか、興味津々で眺めている。
(行く時は、ブルーとの旅になるよな)
俺一人でも行けないことはないんだが、とハーレイは苦笑した。
ツアーの日数などからして、夏休み中とかならば、時間は作れる。
けれども、「ちょっと旅行に行って来る」と言おうものなら、ブルーはフグになるだろう。
頬っぺたをプウッと膨らませて怒って、「ハーレイ、酷い!」と睨むに違いない。
(その上、行先がアルテメシアではなあ…)
ブルーの怒りは「酷い!」どころか「ずるい!」に変わって、プンスカ怒って、おかんむり。
最悪の場合、「出て行ってよ!」と怒鳴って、クッションを投げて来ることも有り得る。
(…それでホントに帰っちまったら、それはそれで…)
怒り散らすんだ、と分かっているから、今はまだ旅に出られはしない。
アルテメシアでなくても、自分の楽しみのために行くのは、許して貰えないだろう。
(土産をドッサリ買って来たって、土産だけ、ちゃっかり貰っておいて…)
文句三昧でフグになるんだ、とクスクスと笑う。
アルテメシアに行くとしたなら、ブルーと一緒に暮らし始めた後にするしかない。
とはいえ、アルテメシアに行くとなったら、ブルーと行くのが似合いではある。
前の生での思い出の星で、一番長く、ブルーと暮らした場所でもあった。
(…ただなあ…)
あいつと違って、俺の場合は「思い出の場所」が無いんだよな、と顎に手を当てた。
前のブルーは、「タイプ・ブルー」に相応しいサイオンの使い手だった。
雲海に潜む船の外にも、自在に出られた。
(海を眺めたり、テラフォーミングされた範囲の山に降りたり…)
外に出た「ついで」に、自然を満喫していたようだ。
空を見上げたり、星を仰いだり、通り過ぎて行く風に吹かれたりも。
(気に入りの場所も、あちこち、あったんだろうが…)
俺は無いんだ、と少し悲しい。
他の仲間も同じだったけれども、船の外には出て行けない。
潜入班の者たちだけが、外の世界に「思い出の場所」を持っていた。
そんな事情で、ハーレイは「思い出の場所」を持たない。
アルテメシアまで旅をしたって、もう一度、見たい場所も、行きたい場所も思い付かない。
(ツアーで行っても、いいくらいだよな…)
お勧めコースを観光して回って、それでおしまいの「ごく普通の旅」。
今の時代ならではの「名物料理」があったら、それも、もちろん食べられる。
(…いっそ、そういう旅にするかな…)
それとも個人旅行で、ブルーと二人で出掛けてゆくか、と悩ましい。
ブルーの方には「行きたい場所」があるかもしれないし、それに合わせて旅程を組む。
(…あいつ次第か…)
どうせ行くなら、あいつが一緒なんだしな、と思うけれども、ふと浮かんだ考え。
(そうだ、記念墓地にある、俺の墓標に…)
散々、似合わないと言われた「薔薇の花」をドッサリ供えてやろう、とクスリと笑う。
「薔薇の花びらのジャム」を配るクジの箱さえ、前のハーレイの前は素通りだった。
それほど「似合わない」とされた花でも、今の時代は、墓標に供えられている。
(よし、コレだ!)
アルテメシアに着いたら、早速、花屋に出掛けないとな、とコーヒーのカップを傾ける。
ブルーと一緒に店に入って、「薔薇の花で花束と花輪を作って貰えますか」と注文しよう。
うんと豪華で見栄えのするものを、と付け加えるのも忘れない。
そして花束と花輪が出来たら、ブルーと二人で供えに行こう。
「薔薇の花びらのジャム」が似合わないと言われた、「キャプテン・ハーレイ」の墓標に。
誰一人として気付かなくても、ブルーとハーレイだけに分かる、最高のジョークなのだから…。
いつか行くなら・了
※いつかは行ってみたい、アルテメシア。けれど、思い出の場所が無いハーレイ先生。
ツアーにするのも良さそうですけど、記念墓地で薔薇を供えるんなら、個人旅行ですねv
小さかった頃は、とブルーが、ふと考えたこと。
ハーレイが寄ってはくれなかった日の夜、自分の部屋で。
お風呂上がりにパジャマ姿で、ベッドにチョコンと腰を下ろして。
(幼稚園にいたウサギ、元気そうだったから…)
ウサギになれたら楽しそうだ、と思って、仲間入りがしたかった。
あの時、ウサギになっていたなら、ハーレイとの出会いは難しそう。
(…前にハーレイに、この話をしたら、仲間になってくれるって…)
ハーレイは頼もしい言葉をくれたけれども、出会いからして、人間同士のようにはいかない。
それに、ハーレイも一緒にウサギにならない限り、野原で暮らすウサギは厳しいだろう。
(ぼくが自分で、巣穴を掘って、ご飯を探して頑張らないと…)
生きてゆけないから、幼稚園にいたウサギみたいに、飼われているウサギが向いている。
ウサギ用の小屋を持っていて、庭で気ままに跳ね回るウサギがいい。
(…庭にいるトコへ、ハーレイが通り掛かって…)
見付けてくれたら出会えるわけで、その後の暮らしは、ハーレイ次第。
揃ってウサギになってもいいし、ハーレイが貰い受けてくれて、飼ってくれるのも良さそう。
(ハーレイと一緒に暮らせるんなら、どっちでもいいよね)
野原暮らしのウサギになっても、ハーレイの家のペットでも幸せなのに違いない。
ウサギの暮らしも悪くはなさそう、と思うけれども、出会うチャンスが少ないのが難点。
(ハーレイの散歩と、ぼくが庭に出ている時間が合わないと…)
お互い、気付かないまま、擦れ違ってしまう。
(…うーん…。ぼくがウサギじゃ、難しいかな…)
ウサギは散歩に行かない生き物だしね、とブルーの頭に浮かんだのは、別の生き物。
毎日、散歩に行くと言ったら、犬だろう。
(ぼくが公園で散歩してたら、ハーレイがジョギングで走って来るんだよ)
そのハーレイに「やっと会えたよ!」と叫んだならば、気付いて貰える。
声は犬でも、姿形も人でなくても。
(だってハーレイ、どんな姿になった、ぼくでも…)
見付けられると言っているから、大丈夫。
「おっ、ブルー!?」と、大急ぎで駆けて来るだろう。
リードを握った飼い主の方に、まずは挨拶、それから「犬のブルー」にも…。
(元気そうな子だな、と頭を撫でてくれそうだよね!)
それとも「お利口そうな子ですね」と、飼い主を見ながら言うのだろうか。
どっちにしたって、自然な出会いで、ハーレイの口から「ブルー」の名前が出たら最高。
(犬のぼく、名前が何かは分からないもの…)
飼い主が決めた名前なのだし、「ブルー」になるとは限らない。
ハーレイは、飼い主に「この子の名前は、何でしょう?」と尋ねて、その名で呼ぶ。
名前が「ブルー」でなかった時には、「ブルー」とは呼んで貰えない。
あの懐かしい声で、「ブルー」と呼ばれたくても、違う名前しか出て来ない。
(…それって、悲しい…)
せっかく再会出来たというのに、ハーレイは「ブルー」と呼んでくれない。
おまけに、ジョギングの途中なのだし、そうそう長くはいてくれないだろう。
(ぼくの飼い主だって、変だと思いそうだし…)
いくらハーレイが「犬好き」に見えたとしても、立ち話出来るのは、五分ほどかもしれない。
(ハーレイも犬を連れていたなら、もっと、ゆっくり…)
飼い主同士で話せるのにね、と項垂れたはずみに、掠めた考え。
(…ハーレイの方も、犬だったら…?)
犬同士、公園で出会ったのなら、と思考が別の方向を向いた。
ハーレイも犬に生まれ変わっていて、散歩コースで、「ブルー」と出会う。
そっちの方なら、もう少し長く一緒にいられそう。
再会した後も、散歩の時間が合ったら、何度でも会える。
犬は毎日、散歩するから、飼い主同士で時間合わせをしてくれれば、毎日でも。
(流石に、雨の日は無理だろうけど…)
ぼくが犬なら、小型犬だろうし、と白くて小さな犬を思い浮かべた。
様々な種類の犬がいるから、どれになるかは分からない。
(ハーレイは、きっと、もっと大きい種類の犬で…)
頼もしそうな犬なんだよね、と大型犬を想像していて、ハタと気付いた。
小型の犬と、大型の犬が、公園で出会った場合、飼い主たちは、どう動くだろう。
(ハーレイの飼い主、リードを、グッと握って…)
犬のハーレイが「犬のブルー」を驚かせないように、距離を取りそう。
ハーレイが大人しい種類の犬にしたって、用心に越したことはない。
(犬にも相性、あるみたいだから…)
万一があれば、ハーレイは「ブルー」に吠えてかかるし、それは良くない。
犬のブルーを飼っている方も、大型犬のハーレイを目にした途端に、回れ右して…。
(今日は、こっちに行きましょうね、って…)
ハーレイを避けて、急ぎ足で公園を出るかもしれない。
そうなってしまえば、「犬のハーレイ」とは、出会っただけでおしまい。
(待って、ハーレイ! って、ぼくが叫んでも…)
ブルーの飼い主には、無謀に思えてしまうのだろう。
大型犬の怖さを知らない「ブルー」が、喧嘩を吹っ掛けていると勘違いして。
(縄張り意識、あるものね…)
いつもの散歩コースを変えられたのだし、「あの犬のせいだ!」と怒り出したとか。
(そうじゃないのに、犬の言葉は、人間に通じないから…)
ハーレイの飼い主の方も、「これはまずい」と考えそう。
自分の犬が「小さな犬」を挑発したかのようで、何か起きたら、大型犬だけに大惨事になる。
(どっちかのリード、離れちゃったら…)
大型犬のハーレイは全力疾走、ブルーをガップリ噛むかもしれない。
走り出したのがブルーの方でも、犬のハーレイに挑みかかって、ガブリとやられる。
(…両方の飼い主、そう思うよね…)
犬同士だったら起こりそうだし、と恐ろしくなった。
ほんの一瞬、再会しただけで、次は無い出会い。
飼い主は散歩コースを変えてしまうか、遠くから見掛けて、その日はコース変更になる。
(…そんなの、酷い…!)
飼い主がいたなら、そうなっちゃうんだ、と思うものだから、人間で良かった。
小さかった頃の夢が叶って、ウサギになっていたって、上手く運びはしなかっただろう。
(…飼い主がいたなら、ウサギ人生、飼い主次第になっちゃうものね…)
神様に感謝しなくっちゃ、とブルーは聖痕をくれた神に向かって、お礼の言葉を繰り返す。
「人間にしてくれて、ありがとう!」と、ハーレイの分も合わせて、何回も…。
※ウサギになりたかったブルー君。ウサギよりも犬の方がいい、と考えたのですけど。
犬同士で出会った場合は、その後のことは、飼い主次第。人間に生まれるのが一番ですv
あるんだよな、とハーレイが思い浮かべたブルーの顔。
ブルーの家には寄れなかった日の夜、いつもの書斎で。
愛用のマグカップに淹れた熱いコーヒー、それを片手に。
(例えば、犬や猫にしたって、ウサギだったり、鳥になっていても…)
必ず見付けられるし、出会えるだろう、と考える。
ブルーとの絆は強いものだけに、人間として出会えなくても、きっと出会える。
(もしも犬だと、俺とは種類が違いそうだぞ)
俺は大型の犬で、あいつは小さな種類の犬で、と想像しただけで微笑ましい。
犬に生まれたブルーも、白い犬なのに違いない。
(ふわふわしてるか、毛足が長いか、それとも…)
どんなのにしも可愛いんだ、と「犬のブルー」を頭に描く。
アルビノでなくても、真っ白な犬で、手入れが行き届いていることだろう。
(頭にリボンを結んでるとかも、あるかもしれないな…)
美容室に連れて行って貰ったりしたら、そうなりそう。
ブルーが「男の子」の犬であっても、見栄えがするなら頭にリボン。
(飼い主が色々、コレクションしたのを日替わりで…)
毎朝、頭にキュッと結んで、それから散歩なんだ、と「散歩に行くブルー」が見えるよう。
犬のブルーは愛らしいけども、ハーレイの方は違っているという気がする。
大型犬だし、可愛く見えるのは子犬時代だけ。
(犬のあいつと出会う頃には、育っちまってて…)
ブルーの何倍あるだろうか、と思うくらいに体格からして差があるだろう。
外見にしても、獰猛そうでなければマシだと言える。
(大型犬にも、大人しいのから、猟犬とかまでいるんだし…)
出来れば大人しい種類に生まれたいもんだ、とハーレイは肩を軽く竦める。
見るからに恐ろしそうな犬だった時は、犬のブルーの飼い主に距離を取られてしまう。
ブルーが「あっ、ハーレイ!」と気付いて、嬉しそうに鳴いていたって、近付けてくれない。
(危ないわよ、とリードをグッと握って…)
足早に去って、公園だったら出てゆくだろうし、路上だったら遠ざかってゆく。
(…ほんの一瞬だけの出会いで…)
次があっても同じことだぞ、と結果は考えるまでもない。
「犬のブルー」が、獰猛そうな大型犬に向かって鳴くのは、飼い主にすれば好ましくない。
(この子が、怖さに気付いていないだけなんだ、と…)
勘違いをして、散歩コースを変えてしまえば、もう会うことは出来なくなる。
「犬のハーレイ」の飼い主にしたって、トラブルは避けたいと考えそう。
(…俺がブルーを噛んじまったら、大変なことになっちまうからなあ…)
散歩コースを変更するのは、ハーレイの飼い主の方かもしれない。
他の犬が多い公園よりも、人の少ない場所の散歩に切り替えるとか。
如何にもありそうな、「出会えなくなる」結末。
犬のブルーと犬種が違って、「犬のハーレイ」が怖そうな見た目になっていれば起きる。
(大型犬でも、大人しい方で願いたいぞ…)
どんな性格をしている犬かは、飼い主にしか分からないし、とハーレイは溜息をついた。
前の自分も、人によっては「怖そうな人だ」と見ていただろうか。
ブリッジで指揮を執る所だけしか知らなかったら、有り得そうではある。
(眉間に皺で、難しい顔で…)
シャングリラの中を歩いていたのが前の自分で、怖そうな犬と同じかもしれない。
(犬に生まれた俺の場合も、猟犬になっていたって、大人しい性格で…)
訓練でボールなどはキャッチ出来ても、動物を追うことはしないのだろう。
もちろん「小型犬のブルー」を噛みはしないし、出会えたのなら、一緒に遊ぶだけ。
(仲良くなれたら、飼い主同士も、話が弾んで…)
散歩コースや時間を合わせてくれて、会える日がグンと増えてくれそう。
「大人しい犬なんです」とアピールする機会は、是非とも欲しい。
ブルーの飼い主が足早に去って、二度と出会えなくなるのは悲しすぎる。
(違う種類の犬でも、仲良くなれるケースは多いからなあ…)
犬と猿でも仲良くなるって話も聞くし、とハーレイは思う。
「犬猿の仲」という言葉があるのだけれども、仲がいい犬と猿とは存在する。
(…俺の飼い主と、ブルーの飼い主に期待するしか…)
判断違いが起きちまったら、おしまいなんだ、とゾッとしてから、ハタと気付いた。
犬のブルーと仲良くなれても、出会える時間は散歩の時しか無さそう。
それ以外の時間は、それぞれの家で過ごしているしかない。
(雨が降ったら、散歩は行かないだろうし…)
寒すぎる日とか、暑すぎる日にも、犬のブルーは「家の近く」で散歩を済ませるだろう。
大型犬のハーレイと違って、暑さ寒さに弱いのは容易に分かる。
(…そうなってくると、せっかく、あいつと再会出来ても…)
俺たちの人生、飼い主次第か、とハーレイは鳶色の瞳を見開いた。
犬の場合は「犬生」だけれども、全てが飼い主に左右されてしまう。
散歩コースを変えるにしても、合わせるにしても、ハーレイとブルーは蚊帳の外になる。
(ついでに、一緒に暮らすなんぞは、夢のまた夢…)
雄同士だしな、とハーレイは頭を抱えたくなった。
犬のブルーが雌にしたって、犬種が違う時点で絶望的。
(交配したい、と思う飼い主、いないだろうし…)
仲が良さそうだから、と例外を認めるにしても、一緒に飼ってはくれないだろう。
子供が出来るシーズンにだけ、ほんの数日、どちらかの家で過ごしておしまい。
(生まれて来た子も、ブルーの家で育っていくだけで…)
俺は顔さえ見られないんだ、と思うものだから、犬に生まれ変わるのは駄目かもしれない。
(飼い主がいたら、お互い、どうにも出来んからなあ…)
犬は駄目だ、とハーレイは神に感謝した。
今の生で犬に生まれていたなら、ハーレイもブルーも、悲しい思いをすることになった。
(何に生まれても、あいつを見付け出せるんだが…)
飼い主のいない生き物で頼む、と心から願う。
ハーレイもブルーも、飼い主がいたら、自由に生きるのは不可能だから…。
飼い主がいたら・了
※何に生まれても、ブルー君を見付ける自信があるハーレイ先生。犬や鳥でも大丈夫。
けれど気付いてしまった現実。飼い主がいる場合は、思い通りには生きられませんよねv
損なのかな、と小さなブルーが投げ掛けた問い。
二人きりで過ごす休日の午後に、唐突に。
お茶とお菓子が置かれたテーブル、それを挟んで。
「は? 急にどうした?」
そういう場面に出くわしたのか、とハーレイは尋ねた。
今のブルーも、前のブルーも、大人しいタイプ。
(…もっとも、前のあいつの場合は…)
頑固だった分、補正されていたよな、と考えてしまう。
(確かに根っこは、大人しいんだが…)
こうと決めたら動かないんだ、と悲しい記憶が蘇った。
メギドに飛んで行った時のブルーも、そうだった。
(ナスカの仲間を、説得に行くと言っていたのに…)
実際は、船から打って出るのが目的だった。
今のブルーは、前のブルーほど頑固ではない。
十四歳にしかならないせいか、強く言ったら聞き入れる。
(前のあいつだと、有り得ないことで…)
考えてみれば損をしてるかもな、と思わないでもない。
ついでに言うなら、前のブルーも損をしていた。
大人しいのが本来だけに、自分を強く押し出しはしない。
(厨房で作った、試作メニューを食べる時にも…)
どれほど上手く出来ていようが、おかわりは無し。
皿に盛られて渡された分を食べたら、おしまいだった。
「いいと思うよ」と感想を告げて、厨房の者が勧めても…。
(ぼくはいいから、と出て行っちまって…)
残った分は、他の仲間が奪い合っていた。
ジャンケンだったり、クジを引いたり、それは楽しそうに。
すると、今のブルーは、二重に損なタイプかもしれない。
(…友達が持って来た菓子が余っちまって…)
何人か二個目を貰えそうな時に、今のブルーは主張しない。
「二個目、欲しいな」と言いはしなくて、貰えないまま。
(おまけに、最初に菓子が登場した時も…)
前のブルーの頃と違って、「ブルー用の枠」は無いだろう。
(ソルジャーじゃなくて、友達の一人というだけで…)
ブルー用の菓子を「確保しておく」必要は無い。
人数分の菓子が無ければ、ブルーが食べることは出来ない。
(六人いたって、五個しか無いって場面は多いしなあ…)
欲しい者だけ名乗り出る時、今のブルーも大人しいから…。
(名乗れなくって、枠が無いせいで…)
食べ損ねるのは確実だから、損だと言える。
前のブルーだった場合は、しない損までしている勘定。
(…ふうむ…)
さっきの質問、当然かもな、とハーレイは思い当たった。
珍しい菓子を食べ損なったとか、二個目を貰い損ねたとか。
(ありそうな話なんだよなあ…)
だったら、一押し、背中を押すか、と助言することにした。
「大人しい子は損なのか、と聞かれりゃ、そうだな」
「やっぱり…?」
ぼくって損をしているのかな、とブルーは首を傾げる。
「普段は、気にしていないんだけど…」
「美味い菓子でも、食い損なったか?」
「そんなトコかも…」
残念すぎて、とブルーが項垂れるから、ハーレイは笑んだ。
「分かってるんなら、たまには強く出るのはどうだ?」
損をするよりマシだろうが、とブルーに勧める。
「厚かましいかな、と思うくらいで丁度かもな」と。
ブルーはハーレイの言葉を聞いて、素直にコクリと頷いた。
「じゃあ、強く出てみるようにする」
「その意気だ。お前は、大人しすぎるからな」
「ありがとう、とっても参考になった!」
強く出てみるね、とブルーは、とびきりの笑顔になった。
「ハーレイ、ぼくにキスして!」
「なんだって!?」
「大人しくしてるの、やめにしておく!」
でないと損をしちゃうんだもの、とブルーは自分を指した。
「大人しく我慢してたら、未だにキスが貰えないんだよ?」
遠慮しないで言わなくっちゃ、とブルーが勝ち誇るから…。
「馬鹿野郎!」
そこは大人しくしてるべきだ、とハーレイは叱る。
「厚かましいのはお断りだ」と、「黙っていろ」と…。
大人しい子は・了
