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どうも、管理人の「みゆ」でございます。画像は「そるじゃぁ・ぶるぅ」君ですが。



ハレブル別館に置いてる、拍手御礼ショートショート。
月に一回入れ替えてますが、諸事情あってハレブル別館には置けませんでした。
流れ去ったショートの再録場所が要るんだよね、と前から一応、思っていたです。

この際、置き場所作ってみるかな、と作ってみました。
書き下ろしショートも置いてますから、のんびり遊んで下さいね~。
 
※お知らせ。emoji
 書き下ろしショート、果たしてニーズがあるのかどうか。
 拍手システム入れてみました、お気に入りがあればポチッとどうぞ。
 
      
過去の拍手御礼ショートショートと書き下ろしショートの目次は、こちら。
タイトルをクリックで御覧になれます。

※書き下ろしショートの時間軸には「順番」は全くありません。emoji
 何処から読んでも無問題ですv

  
拍手その1・それぞれの場所:いつも座る席を取り替えたら…。
 
拍手その2・毎日が幸せ:毎日が幸せなブルー君。
 
拍手その3・考え事:ハーレイの声を聞いていたら…。
 
拍手その4・帰っちゃ嫌:ハーレイが家に帰るのは嫌。

拍手その5・熱々の季節:暑い夏でもくっつきたい!

書き下ろし1・ハーレイのスープ:ブルーのために作る野菜のスープ。

書き下ろし2・恋人が出来た:思いがけずも出来た恋人。

書き下ろし3・痛かったけれど:痛かったけれど、聖痕は宝物。

書き下ろし4・洗車 :ハーレイ、愛車を洗うの巻。

書き下ろし5・断られたキス:再会のキスも出来なかったなんて…。
 
書き下ろし6・軽すぎるペン:羽根ペンが軽すぎる、慣れないハーレイ。

書き下ろし7・眠っていたから:ハーレイのベッドに瞬間移動が出来たのに…。

拍手その6・足音:ハーレイの足音は分かるのです。
 
書き下ろし8・再会:ブルーが起こした聖痕現象、ハーレイ視点。
 
書き下ろし9・魔法のスープ:ハーレイが作ってくれる野菜スープの魔法。

書き下ろし10・腕で作る輪:腕で作る輪、それに収まるブルーの身体。
         
書き下ろし11・夢みたいだけど:今の身体に生まれ変わったブルー。
    
書き下ろし12・大好きの言葉:ハーレイに何度も言いたい「大好き」。

書き下ろし13・船と車と:シャングリラよりも車が似合いのハーレイ。
     
書き下ろし14・小さな手だけど:小さな手でも、ブルーの右手は幸せ者。
 
書き下ろし15・チビでも愛しい:どんなにチビでも、愛しいブルー。
        
書き下ろし16・恋人は先生:恋人が先生だなんて、絶対に内緒。
        
書き下ろし17・いじらしい敬語:学校ではハーレイに敬語なブルー。
          
書き下ろし18・学校とブリッジ:学校とブリッジは似ているような…。
          
書き下ろし19・柔道部は無理:ブルーが柔道部に入れたら…。
           
書き下ろし20・学校に行きたい:熱を出して学校はお休みなブルー。
             
拍手その7・小さな躊躇い:床に落としたベリー、食べてもいい?
                        
書き下ろし21・おふくろのケーキ:ハーレイの好物、パウンドケーキ。
            
書き下ろし22・ママのケーキ :ハーレイのために焼きたいパウンドケーキ。
 
書き下ろし23・贅沢な朝食 :ハーレイの朝食、前世と比べたらとても贅沢。

書き下ろし24・朝食の風景:食の細いブルー君の朝の食卓。
   
書き下ろし25・変わっちゃいない:前世も今も、ハーレイはハーレイ。
    
書き下ろし26・変わってないけど:前世も今も、ブルーはブルー。
     
書き下ろし27・長袖のワイシャツ:夏でも長袖のハーレイ、前世のせいかも?
       
書き下ろし28・みんなと同じ服:今のブルーの制服は、他のみんなと全く同じ。
        
書き下ろし29・気に入りの書斎:ハーレイの書斎、実はキャプテン・ハーレイ好み?
 
書き下ろし30・帰りたい部屋 :青の間にホームシックなブルー。その理由は?
  
書き下ろし31・忘れた買い物:買い忘れても大丈夫。そういう世界にいるハーレイ。
   
書き下ろし32・忘れられた買い物:買い忘れられても、今は大丈夫。ブルーの世界。

書き下ろし33・ぼくがチビでも:「ぼくがチビでも悲しくない?」と訊いたのに…。
     
書き下ろし34・キャンプ用の椅子:キャンプ用の椅子でブルーとデート。

書き下ろし35・白いテーブル:キャンプ用のテーブルでハーレイとデート。
   
拍手その8・温もりが欲しい:夏でもハーレイの温もりが欲しい、ブルーの右手。
    
書き下ろし36・ブルーが足りない:会えなくてブルー不足なハーレイ。
  
書き下ろし37・ハーレイが足りない:会えなくてハーレイ不足なブルー。
          
書き下ろし38・久しぶりに会えた:ブルー不足とハーレイ不足な日々に終止符。
          
書き下ろし39・天の川を泳ごう:ブルーに会うためなら、天の川でも泳ぎ渡れる。

書き下ろし40・天の川の幅:広い天の川でも、ハーレイは泳いで渡ってくれる。
 
書き下ろし41・天の川を渡って:天の川に隔てられても、会える筈の二人。
              
書き下ろし42・叶えてやれない:ブルーの願いは叶えてやりたいけれど…。
               
書き下ろし43・叶えてくれない:願いを叶えてくれないハーレイなんて…。

書き下ろし44・もう一人いれば:一人の夕食。もしもブルーがいてくれれば…。
                               
書き下ろし45・いて欲しい人:一人でおやつ。ハーレイがいてくれたなら…。
                                 
書き下ろし46・見られない蛍:去年までなら蛍見物。今のハーレイは…。

書き下ろし47・見てみたい蛍:ハーレイと蛍を見に行けたなら…。
                           
書き下ろし48・飛べないあいつ:空を飛べないブルーが愛しい。
                           
書き下ろし49・飛べないぼく:ハーレイに見せてあげたい、空を飛ぶ姿。
 
書き下ろし50・あいつの背丈:背丈が伸びなくても、愛おしいブルー。
  
書き下ろし51・ぼくの背丈:どうして背丈が伸びないのか。ブルーの悩み。
   
書き下ろし52・ブルー日和:今日のような日はブルー日和、と思うハーレイ。
    
書き下ろし53・ハーレイ日和:こんな日はきっとハーレイ日和、と思うブルー。
     
拍手その9・可哀相な動物:可哀相な動物がいるんだけれど、とブルーの主張。

書き下ろし54・歩いてゆける地面:ブルーの所へ歩いてゆける地面。地球の上を。
      
書き下ろし55・歩きたい地面 :ハーレイが歩いただろう地面を歩きたいブルー。
        
書き下ろし56・降りそうな天気:雨が降るかも。キャプテンは勘に頼れないけれど…。
          
書き下ろし57・降りそうだけど:地球に降る雨の最初の一粒。見てみたいブルー。
          
書き下ろし58・恋人がいるだけで:恋人がいるというだけで浮き立つハーレイの心。

書き下ろし59・恋人がいるから:恋人がいるから、寝込んでも心は幸せなブルー。
 
書き下ろし60・走ってゆける:思い立ったら、ひとっ走りしに行ける今のハーレイ。

書き下ろし61・走ってゆきたい:ハーレイの家まで走って行けたら、と思うブルー。
  
書き下ろし62・キスは駄目だ:キスは駄目だと何度叱っても、諦めないブルー。
              
書き下ろし63・キスが欲しいのに:キスが欲しいのに、くれないハーレイ。

書き下ろし64・今度は掴める:今度は掴めるブルーの手。行ってしまう前に。
                 
書き下ろし65・今度は失くさない:何度でも貰えるハーレイの温もり。
                 
書き下ろし66・ずっと愛してる:生まれ変わっても、愛するのはブルー。

書き下ろし67・ずっと大好き:生まれ変わっても、大好きなハーレイ。
 
拍手その10・お腹が空かない?:長いことぼくを食べてないでしょ、と訊くブルー。
                    
書き下ろし68・扉を開けたら:家に帰って扉を開けたら、ブルーがいたなら…。
                                                    
書き下ろし69・扉が開いたら:家に帰って扉を開けたら、ブルーがいたなら…。

書き下ろし70・暑苦しくない:暑い夏でも、暑苦しくない熱の塊。それがブルー。

書き下ろし71・暑くないから:ハーレイにくっついていても、暑くない夏。
                                                
書き下ろし72・行くには早いが:ブルーの家に行くには早いけれども、待てない時間。
                                       
書き下ろし73・まだ来ないけど:まだハーレイは来ないけれども、早起きしたら…。
                                        
書き下ろし74・よく伸びるんだが:ブルーの背丈とは違って、よく伸びる夏草。
                                         
書き下ろし75・よく伸びるんだけど:よく伸びるミントが羨ましくても、自分の背は…。
                                            
書き下ろし76・脱いでいい靴:一日中、靴を履いていなくてもいい今のハーレイ。

書き下ろし77・脱いでもいい靴:一日中、靴を履かなくてもいい今のブルー。

書き下ろし78・ブルーの笑顔:前のブルーよりも多い、今のブルーの笑顔の数。
                                      
書き下ろし79・ハーレイの笑顔:前の自分だった頃から好きな、ハーレイの笑顔。

書き下ろし80・夢だった地球:今のハーレイには当たり前の地球。夢ではなくて。
 
書き下ろし81・夢に見た地球:前のブルーが夢に見た地球。今のブルーが暮らす星。
                                          
書き下ろし82・暑くなっても:暑さは地球の太陽のせい。ハーレイが気付いた今の幸せ。
                              
書き下ろし83・暑いけれども:暑さは苦手でも、地球の太陽。今のブルーは幸せです。
                          
拍手その11・下手くそになった?:キスが下手くそになったんでしょ、と尋ねるブルー。

書き下ろし84・窓の向こうは:ハーレイが窓の向こうに見た朝日。今の地球の夜明け。
                              
書き下ろし85・窓の向こうに:窓の向こうにいつもある地球。今のブルーなら。
                            
書き下ろし86・あの空を旅した:ハーレイが仰いだ夜空。前世で旅をしていた宇宙。
                                               
書き下ろし87・あの空を旅して:ブルーが見上げる夜空。前世で地球を探した宇宙。

書き下ろし88・三日月の夜に:今のハーレイが眺める月。前の自分とは違った視点。

書き下ろし89・チビの三日月:月の方が早く育つなんて、とブルーは膨れっ面で…。
                       
書き下ろし90・川を下る船:川下りの船。いつかブルーを乗せてやろうと思う船。
 
書き下ろし91・川をゆく船:ハーレイと乗りたい川下りの船。大きくなったら。

書き下ろし92・海が似合う夏:いつかブルーと行きたい海。前世で夢見た地球の海へ。

書き下ろし93・夏が似合う海:いつかハーレイと行きたい海。本物の地球の青い海へ。
 
書き下ろし94・欲しかった羽根ペン:今のハーレイ。羽根ペンが欲しいと思ったら…。
                       
書き下ろし95・あげたい羽根ペン:ハーレイの誕生日にあげたい羽根ペン。どうする?
                                  
書き下ろし96・何でも美味い:何でも美味い、と思うハーレイ。多分、前世のせいで。
                        
書き下ろし97・何でも美味しい:好き嫌いが全く無いブルー。きっと、前世のせいで。
                           
書き下ろし98・作ってやりたい:ブルーに作ってやりたい料理。スープの他にも。

書き下ろし99・作ってあげたい:ハーレイに作ってあげたい、好物のパウンドケーキ。
                       
拍手その12・今が食べ頃:ブルー君曰く、今が自分の旬だとか。

書き下ろし100・同じ顔だが:今のハーレイには別の顔。思いもよらなかった顔。

書き下ろし101・同じ顔だけど:前のぼくの顔じゃない、と溜息をつくチビのブルー。

目次・その2: ←102話以降の目次は、こちらvemoji
こちらからも行けます→ http://bluestone.kyotolog.net/Entry/115/

目次・その3:←302話以降の目次は、こちらv
こちらからも行けます→http://bluestone.kyotolog.net/Entry/320/

目次・その4:←518話以降の目次は、こちらv
こちらからも行けます→https://bluestone.kyotolog.net/Entry/600/

目次・その5:←602話以降の目次は、こちらv
こちらからも行けます→https://bluestone.kyotolog.net/Entry/727/
        
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 書き下ろしショート、果たしてニーズがあるのかどうか。
 拍手システム入れてみました、励ましにぽちっと…貰えると感謝。

※拍手下さった方、ありがとうございます~!emoji
     
                     
                       
           


       

拍手[2回]

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「ねえ、ハーレイ。何か、思い付いたら…」
 行動に移すべきかな、と小さなブルーが投げ掛けた問い。
 二人きりで過ごす休日の午後に、唐突に。
 お茶とお菓子が置かれたテーブル、それを挟んで。
「は?」
 どういう意味だ、とハーレイは首を傾げて問い返した。
「えっとね…。ちょっと聞きたくなったから…」
 聞いてみただけ、とブルーの方は、単なる好奇心らしい。
「ぼくは、どっちかと言えば、慎重な方でしょ?」
 思い付きで動くのとは違うタイプ、とブルーは自分を指す。
「でも、そうじゃない人も多いし、どっちなのかな、って」
「なるほどなあ…。確かに、お前は逆になるよな」
 前のお前もそうだった、とハーレイは大きく頷いた。
 今も昔も、ブルーは「石橋を叩いて渡る」タイプの人間。
 思い付いて直ぐに動きはしなくて、検討してから動き出す。


(…咄嗟の判断のように見えても、違うんだよな…)
 凄い速さで計算しているだけだ、とハーレイは承知だった。
 前のブルーは、メギドに飛んで行った時さえ、そうだろう。
(ずっと前から、そういう場面を想定していて…)
 似た状況に陥った時に、自分が決めていた通りに行動した。
 「自分の命は捨ててかかって、船を救う」というシナリオ。
(…前のあいつは、多すぎるくらいの危機を考慮して…)
 それに応じて「どう動くべきか」を、常に頭に置いていた。
(キースの野郎が、仮死状態のトォニィを、投げた時にも…)
 ブルーは素早く飛び出したけれど、とうに計算していた筈。
 「地球の男」が「取りそうな手段」を、頭の中で何通りも。
(…そうでなければ、目覚めて間もない、あの身体で…)
 飛び出せるものか、とハーレイには充分、分かっている。


 今のブルーは、前のブルーだった頃より、マシだった。
 「思い付いたら、行動に移す」部分が多い、楽観的な性格。
 とはいえ、一般人と比べた場合は、そうは言えない。
(…慎重すぎるくらいに、慎重なトコがドッサリ…)
 もっと気楽でいいと思うが、という気がしないでもない。
 だから、ハーレイは、こう言った。
「思い付いたら、即、行動でも、いいと思うぞ」
 時と場合によるんだがな、とブルーの資質も尊重しておく。
「しかし、思い付きというのも、大切なことを…」
 示す言葉が、ちゃんとあるだろ、とハーレイは続けた。
「思い立ったが吉日、ってヤツ、聞いていないか?」
「知ってる!」
「ほらな、直ぐに動いて損はしない、と言う人も…」
 あるって証拠だ、とハーレイはブルーに笑い掛けた。
「お前は慎重すぎるわけだが、逆もあるんだ」
 たまには逆もいいと思うぞ、とハーレイは太鼓判を押す。
 「これを機会に、考えてみろ」とも。
 そうしたら…。


「分かった! そうしてみる!」
 ブルーは椅子から立って、ハーレイの横にやって来た。
 けれども、何をするわけでもなく、立っているだけ。
「おい、どうしたんだ?」
「思い付いた通りに、やっているだけ!」
 気にしないで、とブルーは言うものの、気になってしまう。
 何か目的があるからこそで、その目的は何なのか。
(…心を読むのは簡単なんだが、マナー違反で…)
 やるべきことではないんだよな、とハーレイは溜息を零す。
 ブルーの魂胆が読めない以上、放っておくしかなさそうだ。
(…まあいい、俺も好きにするさ)
 茶でも飲むか、と紅茶のカップを手に取ると…。
『やった、もう少し! 早く飲んでよ!』
 ブルーの心が零れたはずみに、真意がポンと伝わって来た。


『ハーレイが口を開けた所が、チャンスだってば!』
 紅茶のカップを手ごと弾いて、ぼくが間に、と心の声。
 「上手くいったらキスが出来る」と、ブルーは野心の塊。
 「失敗したって、カップが割れるだけだよ」という考えも。
(そう来たか…!)
 分かっちまった、とブルーの狙いを知れば、対処あるのみ。
 油断しないで、口を開ける幅を狭くするのも手だけれど…。
「悪いが、アイスティーな気分になっちまった…」
 お母さんに頼んで、氷とストロー、とハーレイは注文する。
 「ついでにグラスもあると助かるんだが」と、厚かましく。
「ええっ…!?」
「そりゃまあ、礼儀知らずには違いないがな…」
 思い付いたら行動なんだ、とハーレイはニッコリと笑んだ。
 「たまにはこんな日だってあるさ」と、ブルーを封じて…。


             思い付いたら・了




拍手[0回]

(ウサギになりたかったんだよね…)
 幼稚園だった頃には、と小さなブルーは、ふと思い出した。
 ハーレイが寄ってはくれなかった日の夜、自分の部屋で。
 お風呂上がりにパジャマ姿で、ベッドにチョコンと腰を下ろして。
(…本気でウサギになりたかったけど…)
 あの時、ウサギになれていたなら、ハーレイとの出会いも変わっていたろう。
 ウサギのブルーは、今の学校に行きはしないし、いったい何処で出会えたのか。
(ぼくは野原で、ハーレイがドライブして来て、散歩していて…)
 ブルーを見付けて連れて帰って、飼ってくれるのかもしれない。
(ハーレイ、ウサギの言葉が分かるのかな?)
 それとも、ぼくがウサギだったら、思念波を使いこなせるのかな、などと考えてみる。
 ハーレイに「ウサギの恋人」が出来た場合は、暮らしぶりも変わってしまいそう。
(学校に行くのに、ウサギ連れって…)
 難しいよね、とブルーは可笑しくなった。
 幼稚園ならともかく、今の学校にウサギを飼っている小屋は無い。
 何処の学校も事情は同じで、ウサギ小屋は、下の学校の一部にある程度。
(ウサギ小屋があったら、授業の間は、此処にいてくれ、って…)
 ハーレイが入れて行ってくれれば、帰りまで待つ。
 他のウサギと一緒に食事で、遊んだり、寒い日には寄り添い合って温め合ったり。
(ウサギ小屋があれば、いいんだけどね…)
 残念ながら無いとなったら、ブルーの居場所は、学校には無い。
(…出掛ける前には、ペットホテルに寄って行くのかな?)
 仕事が終わるまでの間は、其処で待つことになりそう。
 他にも待っている仲間がいたって、ウサギではなくて犬や猫かもしれない。
(うーん…)
 つまらなさそう、と思うけれども、仕方ないから、慣れるしかない。


 ウサギになっていなくて良かったよね、とブルーは、ホッと安心した。
 同じ人間として再会したから、今の暮らしを満喫出来る。
 不満な部分も多いとはいえ、結婚出来る年に育つ頃には、全て解消しているだろう。
(ぼくの背丈が、前のぼくだった頃と同じになったら…)
 ハーレイとキスも出来るし、デートにも行ける。
 ほんの数年だけの我慢で、それまでの間は耐えるしかない。
(あと十年とかじゃないから…)
 幼稚園の頃とは違うものね、と振り返ってみて、ウサギ小屋のあった場所を思い浮かべる。
 ハーレイが「ウサギになったブルー」と再会するより、幼稚園時代に出会った方が厄介そう。
(…結婚出来る年になるまで、十年以上も…)
 ひたすら耐えて我慢の日々が続いて、キスもデートも、全て「おあずけ」。
(…あんまりすぎるよ…)
 おまけに、ぼくも小さすぎるし、とブルーは部屋を見回した。
 今は大きなベッドが置いてあるけれど、幼稚園の頃には、もっと小さなベッドだった。
 部屋が広々していた記憶は、子供用ベッドのせいだけではない。
(勉強机も置いていないし、窓の所の、テーブルと椅子も…)
 幼稚園時代のブルーは、一つも持っていなかった。
 代わりに絨毯の上にクッション、オモチャが入った箱や、積み木の箱が置かれていた。
(…本棚も無くて、絵本も専用の場所があっただけ…)
 ハーレイを呼ぶには、子供じみてる、とブルーは頭を抱えてしまった。
 せっかく再会出来たというのに、ハーレイが恋人の部屋に来たなら、興覚めだろう。


(…何処で出会って、聖痕がどうなったのかとかも、ややこしそうで…)
 幼稚園だったら大変だよね、と容易に想像がつく。
 ハーレイが「幼稚園の先生」だとか、「幼稚園バスの運転手」でないと出会えなさそう。
(入園式で聖痕が出たら、大騒ぎになっちゃう…)
 泣き出す子だけで済めばいいけど、と恐ろしくなった。
 幼い子供は、「出血だけで怪我はしていない」聖痕現象などは理解出来ない。
 パニックを起こして、倒れてしまう子も出るかもしれない。
(…ハーレイと出会うの、もっと後でないと…)
 入園式は、ぼくは風邪でお休みするとか、と「出会いの瞬間」を先延ばしにする。
 ついでに再会を果たす時にも、周りに他の子供がいない方が良さそう。
(…遅れて入って、ウサギ小屋を覗き込んでる時くらいかな…)
 ハーレイが近付いて来て、「ウサギ見てるのか?」と声を掛けてくれて、振り向いた瞬間。
(それなら、聖痕が出ても、泣き出しちゃう子供は少なめ…)
 被害は最小限で済みそうだよ、と考えたものの、それから後もかなり厄介。
 幼稚園の先生か、幼稚園バスの運転手のハーレイも、恐らく「人気者」だろう。
 他の子たちに引っ張りだこで、幼稚園では、ブルーが近付けるチャンスは少なそう。
(守り役だって、どうなるのかな…?)
 学校に行くまでの間だけで終わりそうだし、と溜息が零れ落ちてしまう。
 幼稚園の先生などのハーレイだった場合は、学校に入った時点で、多分、お別れ。


 困っちゃうよね、とブルーは「今の出会い」に感謝する。
 今の学校で出会ったからこそ、結婚までの待ち時間も少ない上に、一緒にいられる時間も多い。
(それに、ハーレイが家に来たって…)
 座って貰うための椅子もある上、テーブルもある。
 ブルーが寝込んでいる時に尋ねて来てくれても、ハーレイは其処で過ごしている。
(本棚もあるから、目に付いた本を取って読めるし…)
 いいことずくめの部屋なんだから、と眺め回して、ハタと気付いた。
(出会った場所が、幼稚園だったら…)
 ハーレイは「大人が過ごすには、退屈すぎる部屋」で、長い時間を費やす羽目に陥る。
 幼稚園時代のブルーに、「お茶の時間」は存在しなかった。
(…お茶じゃなくって、おやつの時間で…)
 母はティーセットを用意しないで、カップにミルクやココアを入れて渡してくれた。
 お菓子は今と変わらなくても、お皿は小ぶりな「幼児用」だった。
(…ハーレイ先生が来てくれるから、って…)
 母がティーセットを出して来るとは思えない。
 ハーレイが好むコーヒーを淹れて、お菓子の皿とセットで、トレイに乗っけて…。
(絨毯の上に置いて行くのか、ちょっとした台を据えて、其処に置くのか…)
 どちらにしたって、ブルーと「テーブルを挟んで、向かい合わせ」の時間にはならない。
 お茶の時間を楽しむと言うより、ハーレイもブルーも、マイペースで「おやつ」を味わう。
(ぼくは積み木で遊んだりしてる合間に…)
 少しずつ食べて、ハーレイは、微笑みながらコーヒー片手に「見守り」だろう。


(…そんな時間に、キスを強請りに出掛けても…)
 断られてしまう以前に、様にならない。
 頬っぺたに「お菓子の欠片」をくっつけたブルーが、「ぼくにキスして」では、笑われるだけ。
(おまけに、ハーレイに抱き付こうとしても…)
 ぼくの身体が小さすぎるし、背中まで手が回らないかも、とブルーは愕然とさせられた。
 まるで似合わない「恋人同士」で、今よりも酷くて情けない感じになって来る。
(…ハーレイと出会ったの、幼稚園だったら…)
 二人きりで過ごす時間があっても、噛み合わないよ、と頭の中がぐるぐるしそう。
 そういう出会いだった時には、きっと後まで笑い話で、ハーレイにからかわれ続ける人生。
(そんな人生、嫌すぎるから…!)
 もっと早くに出会いたかったけど、と思いはしても、限界がある。
 幼稚園での再会は「早すぎる」上に、尾を引きそうだから、諦めておこう。
 ハーレイとの出会いの場所が幼稚園だったら、ハーレイには似合わない恋人だから…。



           幼稚園だったら・了


※ハーレイ先生と出会った場所が幼稚園だったら、と想像してみたブルー君ですけど。
 今よりも厄介な日々になりそう。第一、ハーレイ先生と釣り合いが取れないらしいですv






拍手[0回]

(幼稚園なら、って話もあったっけな…)
 そういえば、とハーレイが、ふと思い出したこと。
 ブルーの家には寄れなかった日の夜、いつもの書斎で。
 愛用のマグカップに淹れた熱いコーヒー、それを片手に。
 生まれ変わって再び出会えた、愛おしい人との再会の場所は学校だった。
 そのブルーと何度も話した間に、幼稚園説が出て来た。
(あいつが幼稚園児の頃に出会えていたら、と話したんだが…)
 幼稚園で出会っていたなら、どうなったろう、とハーレイは気になり始めた。
(公園とかで会うのは、ありがちなんだが…)
 そのものズバリは、かなり難しそう。
 幼稚園という場所柄、部外者が訪れることは殆ど無い。
(親が行くのも、参観日とかで…)
 それ以外の者が訪問するなら、学校活動の一環で出掛ける程度。
 幼稚園の子供たちが「出て来る」機会の方が何倍も多い。
(…ふうむ…)
 出会いからしてハードルが高いぞ、とハーレイは、この難題に取り組むことにした。


 ブルーと幼稚園で出会うためには、ハーレイも幼稚園に入らないといけない。
 今の学校は、下の学校と違って、幼稚園の子たちと一緒に動く行事は無かった。
(…俺に子供がいるわけじゃないし、どうやって入り込んだモンだか…)
 関係者になるしか道は無いな、と思うし、それが手っ取り早そうだ。
 幼稚園の先生になるか、送迎バスの運転手になって、雑用などもこなす立場か。
(…あいつの側にいる時間を、たっぷり取りたかったら、先生だな…)
 柔道も水泳も、まるで出番は無さそうだが、と悔しいけれども、贅沢は言えない。
 古典の教師の道に行かずに、幼稚園の先生になれる道を真っ直ぐ進んで、幼稚園へ。
(そもそも、そこからして有り得ない気が…)
 してしまうだけに厳しそうだ、と前提条件の時点で、つまずいてしまいそう。
 「やはり俺には向いていない」と、進路変更、結局は古典の教師で落ち着くコース。
(…出会いの場には、向いてないんだ…)
 幼稚園ってトコはな、と深い溜息が零れ落ちてしまう。
 出会う前から門前払いで、幼稚園には入れないのが「ハーレイ」らしい。


(…その辺の所は、ご都合主義で…)
 おとぎ話のように上手く乗り越え、幼稚園の先生になれていたなら、どうなるだろう。
 ブルーが入園してくるまでの間は、「ハーレイ先生」と慕われるだろうか。
(…身体がデカいし、肩車もしてやれるしな…)
 絨毯などが敷いてある場所なら、子供たちを乗せて馬になるのも、お安い御用。
 一度に三人くらいは乗せられそうだし、かなり人気が高いかもしれない.
(…順風満帆で先生をやっていたら、ある日、ブルーが入園して来て…)
 その場で聖痕が現れ、血塗れの姿になるというのは変わらない。
(今の学校の時と同じで、大騒ぎで…)
 俺が救急車に乗って付き添いなんだ、と「実際にあった出来事」と、やっと繋がった。
 ブルーの記憶も、ハーレイの記憶も戻って来るから、暫くの間は、同じように時が流れる。
 互いに再会を喜び合って、時間を共有出来るけれども…。
(…なにしろ、あいつは幼稚園児で…)
 扱い方が難しそうだ、と次の難問が降って来た。
 十四歳のブルーでさえも、何かと我儘、困らされている恋人ではある。
 幼稚園児のブルーとなったら、その比ではないように思えてしまう。


(…そうでなくても、我慢が出来ない年の頃だし…)
 約束事を決めてみたって、ブルーには、きっと守れない。
 「幼稚園では、俺を先生らしく扱え」と教え込んでも、遠慮しないで親し気に話す。
 他の子たちが「ハーレイ先生」と呼んでいる中、ブルーだけが「ハーレイ」と呼び掛けて。
(その上、下手に親しいモンだから…)
 肩車も馬も、他の子たちが並んで待つ中、割り込んで来そう。
 「ハーレイ、ぼくにも!」と列をかき分け、悪びれもしないで先頭に立って。
(俺が「こら、並ばないとダメじゃないか!」と叱ったら…)
 たちまちフグのように膨れっ面か、でなければ大きな声で泣き出す。
 「ハーレイ先生、酷い!」と、自分が悪かったことなど、考えもせずに棚に上げて大泣き。
(…泣き声を聞いて、他の先生が…)
 飛んで来るのは目に見えているし、ハーレイが叱られる方かもしれない。
 「ブルー君の気持ちも、考えてあげて」と、子供は我慢が出来ないことを説かれて。
 「もっと優しい言い方をして、分かりやすく!」と、お説教まで食らいそう。
 もちろんブルーは、お説教の間も、「お話、まだ終わらないのかな?」と無邪気に待つだけ。


 なんてこった、とハーレイは軽く頭痛がして来た。
 幼稚園でのブルーとの出会いは、再会した後も「ご難続き」の日々らしい。
 人気者の「ハーレイ先生」を巡って、ブルーの独占欲が発揮される。
(仕事帰りに、あいつの家に寄るのは、控えないとな…)
 でなきゃ一層、増長するぞ、と思うものだから、会える時間は今よりも減ることだろう。
 幼すぎるブルーが「ハーレイ先生は、ぼくだけの先生」と勘違いしないよう、距離を取る。
(…今のあいつよりも、何倍も厄介…)
 いくら中身が「ブルー」でもな、と容易に想像出来てしまう。
 今のブルーでも、前のブルーに比べて「抑えが効かない」。
 幼稚園児のブルーとなったら、我儘放題、コントロールは不可能に近い。
(…自制心を、と教え込んでも、その自制心が…)
 備わる前の時代なんだ、と分かっているから、どうにもならない。
 ブルーが育って「分別がつく」年頃になるまで、トラブル続きの日かもしれない。


(ハーレイ先生は、ブルーも、他の子も、お気に入りのオモチャで…)
 奪い合いしては大騒ぎなのか、とハーレイは書斎の天井を仰いだ。
 「幼稚園時代のブルー」はともかく、「幼稚園での出会い」を避けられたのは幸運だった。
(…もしも出会いが、幼稚園なら…)
 俺が幼稚園の先生だったら、と溜息しか出ない有様なのだし、今の出会いでいいのだろう。
 今のブルーも、かなり厄介な「ませた子供」とはいえ、幼稚園児のブルーよりはマシ。
(…出会ってた場所が幼稚園なら、ご難続きで卒園してった後もだな…)
 付き合いが続いて、今のブルーの時代もやって来るんだ、とハーレイは軽く肩を竦めた。
(幼稚園で出会って、あいつが結婚出来る年になるまで…)
 待ちぼうけどころか、受難までだぞ、と思うものだから、神様に感謝するしかない。
 「今の出会いで幸運でした」と、振り回される年数が少なめなことを…。




            幼稚園なら・了


※もしも、ブルー君と幼稚園で出会っていたら、と考えてみたハーレイ先生。
 幼稚園の先生のハーレイの奪い合いとか、トラブルが多そう。今の出会いが一番ですよねv






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「ねえ、ハーレイ。許すことって…」
 大切だと思う、と小さなブルーが投げ掛けた問い。
 二人きりで過ごす休日の午後に、唐突に。
 お茶とお菓子が置かれたテーブル、それを挟んで。
「はあ? 許すって…?」
 いったい何の話なんだ、とハーレイは鳶色の瞳を丸くした。
 ブルーは今朝から上機嫌で、怒っているようには見えない。
「そのままの意味だよ。例えば、ハーレイの場合だと…」
 キースを許すことは出来るの、とブルーは凄い例を出した。
 今の生では、未だ、キースと出会ってはいない。
 ブルーもハーレイも、遠く遥かな時の彼方で出会ったきり。
 けれど、その時、キースが何をしたかが問題だった。


「うーむ…。キースってか…?」
 今の俺にヤツを許せと、とハーレイは思わず唸った。
 前の生では、キースがブルーを撃ったことを知らなかった。
 だから、後に地球の上で出会った時には、何もしていない。
(…会談を控えて、地球に降下した時なんぞには…)
 キャプテンとしての立場で、国家主席のキースに挨拶した。
 言葉を交わして、握手までしてしまったことを、今でも…。
(…ずっと、後悔し続けてるんだ…)
 今のブルーに聞いて以来な、と小さなブルーの顔を眺める。
 たとえブルーが此処にいようが、憎い仇には違いない。
(秋咲きの朝顔、品種名がキース・アニアンで…)
 そうと知ったら、毟りたくなったぞ、と思うくらいに憎い。


 そんなキースを許せるのか、と尋ねられたら、答えは否。
(俺は一生、ヤツを許せん!)
 今の生で運良く出会えたならば、許せそうだが、と呻く。
(もしも会えたら、一発、思い切り、殴り飛ばして…)
 ブルーを撃った件は、水に流せそうでも、というのが現状。
「ハーレイ、やっぱり、許せないんだ?」
「…残念ながら、俺は其処まで人間が出来ていなくて…」
 とても無理だ、とハーレイは潔く白旗を掲げた。
「許すというのは、確かに大切ではあるんだが…」
「自分の気持ちが追い付かないなら、仕方ないわけ?」
「そうだな、自分を、無理に押し殺してまで…」
 許すことを優先しろとは言えんな、とハーレイは苦笑する。
 大の大人も出来ないことを、子供のブルーには強いれない。


「そっか、ハーレイでも無理なんだったら…」
 許せなくても、許されるよね、とブルーは笑んだ。
「そうなるが…。なんだ、友達と喧嘩中なのか?」
 早めの仲直りを勧めるぞ、とハーレイは提案しておく。
 友人同士の喧嘩だったら、グッと堪えて許すことも大切。
 そう思うから、ブルーに説こうとしたら…。
「友達じゃなくって、ハーレイだよ!」
「俺!?」
 喧嘩なんぞをしてはいないぞ、とハーレイは仰天した。
 今日も昨日も、その前にしても、怒らせるようなことは…。
(…していないよな…?)
 どう考えても、と振り返る間に、ブルーが言った。


「許せないのは、キスだってば!」
 いつも頬っぺたで、そればっかり、とブルーは膨れる。
 唇にキスをしてはくれない、とフグみたいな顔で。
(……その件か……)
 許せないからキスをしろ、と来たか、とハーレイは呆れた。
 そういうことなら、許せないのは、ハーレイにしても同じ。
「よし、分かった。今日の所は、これで失礼しよう」
「えっ!?」
 キスの話は、とブルーは驚くけれども、サラリと無視した。
「許せないっていうトコについては、俺も同じだしな?」
 いくら許すことが大切だろうが、さっきの話、とニンマリ。


「キスをする気にはなれんし、今日は帰るぞ」
「ちょ、ちょっと…!」
 謝るから、帰らないで、とブルーは必死で、可笑しくなる。
(…キースの話まで持ち出して、俺をだ…)
 追い詰めて来たんだし、懲りておけ、とハーレイは立った。
 「ではな」と、椅子をテーブルの方へと寄せて。
「少し早いが、今から帰れば、食料品店に寄って…」
 美味い晩飯を作れそうだし、とブルーを脅して楽しむ。
(本当の所は、帰る気なんぞ、まるで全く…)
 ありはしないが、と帰るふりをして、からかい続ける。
 「たまには、こんな返り討ちもいいさ」と、扉の前で…。



         許すことって・了





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