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「ねえ、ハーレイ。ちょっと話があるんだけれど」
 聞いてくれる、と小さなブルーが言い出したこと。
 二人きりで過ごす休日の午後に、唐突に。
 お茶とお菓子が置かれたテーブル、それを挟んで。
「…話だと?」
 いきなり何だ、とハーレイは思わず身構えた。
 今日までの経験からして、多分、まともな話ではないから。
(あの手この手で、キスを強請ってくるヤツだしな…)
 また何か思い付いたんだぞ、と心の中で零れる溜息。
 いったい何を言われるのやら、と半ば呆れて。
(どう転がっても、俺は子供にキスはしないからな)
 それは変わらん、とチビのブルーを真っ直ぐ見詰める。
 愛らしい唇が何を紡ごうが、聞く耳なぞは持つものか、と。


 ハーレイの心を知ってか知らずか、ブルーは微笑む。
 「そんなに怖い顔、しないでよ」と、年相応に無邪気な顔で。
「怖い顔だと? 俺はいつもと変わらんが」
「そう? 前のハーレイも、そうだったかもね」
 いつも眉間に皺だったもの、と自分の眉間を指差すブルー。
 「今度も癖になっちゃってるよね」と、クスクス笑って。
「大きなお世話だ。それで、話というのは何だ?」
「えーっとね…。恋人を作ろうと思うんだけど」
「はあ?」
 誰がだ、と間抜けな声が出た。
 話の流れからすると、ブルーが恋人を作るようだけれども…。
(こいつは俺に惚れてやがるし、そんな筈は…)
 無いんだよな、と思ったものの、それなら、誰が恋人を…?


(……俺が恋人を作った場合は、大変なことに……)
 なるに決まっているんだが、と考えなくても分かること。
 ブルーときたら、「前の自分」にさえ嫉妬するほど。
 「前のぼくの方が好きなんでしょ!」と怒ったりもして。
 前のブルーを想うことすら、「許せない」なら…。
(恋人なんぞを作ろうものなら、大惨事だぞ)
 引っ掻かれたりもするかもな、と頭に浮かぶのは銀色の子猫。
 鏡に映った自分の姿に、毛を逆立てて喧嘩を吹っ掛ける姿。
 それがブルーの「前のブルー」に対する姿勢。
(鏡じゃなくって、俺に向かって…)
 飛び掛かって、爪でバリバリだ、と勘弁願いたい「大惨事」。
 まあ、恋人など、作るつもりも無いけれど。
 だから…。


「心配しなくても、俺の恋人はお前だけだぞ」
 前のお前は忘れられんが…、と、一応、正直に付け加えた。
 そうしたら…。
「違うよ、恋人を作るのは、ぼく!」
「お前だと!?」
「うん。恋敵がいれば、ハーレイだって焦るでしょ?」
 今みたいに、のんびりしてられないよ、とブルーは笑んだ。
 「恋人と先にキスしちゃうかも」と、「キスの先だって」と。
(……そう来たか……)
 俺に嫉妬をさせる気だな、と、やっと分かったブルーの魂胆。
 嫉妬に狂って「負けてたまるか」と、恋路を急がせるつもり。
 唇へのキスやら、その先のことを、今の誓いも忘れ果てて。
 けれど、その手に乗せられはしない。
 ダテに齢を重ねてはいない。


「よし、許す」
 恋人を作って楽しんでくれ、と愛想よく返した。
 「俺みたいに年の離れたヤツより、いいのを選べ」と。
 「不釣り合いな俺は、潔く身を引いてやるから」と。
「えーっ!?」
 ちょっと、とブルーは慌てたけれども、知らんぷり。
 「年相応の恋人の方がいいぞ」と、大人の余裕で。
 「可愛い女の子だって、きっと似合いだ」と、勧めてやって。
 きっとモテるから楽しむがいい、と傾ける紅茶のカップ。
 懸命に笑いを噛み殺して。
 目を白黒とさせるブルーに、軽くウインクなんかもして…。



         恋敵がいれば・了









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(地球なんだよね……)
 ぼくがいるのは、と小さなブルーが、ふと思ったこと。
 ハーレイが寄ってはくれなかった日の夜、自分の部屋で。
 お風呂上がりにパジャマ姿で、ベッドにチョコンと腰を下ろして。
 前の生で自分が焦がれた地球。
 青く輝く母なる星。
 遠く遥かな時の彼方で、何度夢見たことだろう。
 その青い星に降りてゆく日を。
 人類に追われる身ではなくなり、青い海や緑の山をこの目で見ることを。
(……フィシスの地球しか、ぼくは見たこと無かったけれど……)
 それ以外には一つも無かった、地球の映像。
 だから余計に憧れたろうか。
 青い地球まで行かない限りは、海も山もじっくり見られないから。
 フィシスが抱く幻だけしか、地球を見せてはくれないから。
(…もちろん、それだけじゃなかったけれど…)
 地球への夢は、フィシスに出会うよりも前から心にあったもの。
 人類の聖地とされた星だし、機械が刷り込んだのかもしれない。
 地球に焦がれて「行きたくなる」よう、教え込んで。
 そうでもしないと、無条件での「地球への忠誠」を抱かせることは難しいから。
(…成人検査でも、人体実験でも消えないレベルで…)
 機械がそれをやったとしたなら、恐ろしいとしか言いようがない。
 けれども、地球への想いが無ければ、前の自分は、あのように強く生きられたろうか。
 ミュウを導き、「いつか地球へ」と願い続けて、三世紀以上もの長い歳月を。
 座標さえも掴めないままの星を目指して、宇宙を流離っていた頃を。
(……無理だよね?)
 とても無理だ、と分かっているから、機械が教えた感情でもいい。
 前の自分が夢見た星。
 全ての生命を其処で育み、ヒトを生み出した青い星への強い憧れは。


 そうやって焦がれ続けた地球。
 寿命が尽きると分かった後にも、とても諦め切れなかった。
 この肉眼で一目見られたら、と叶わぬ夢を抱き続けて。
 赤い星、ナスカで「死」を悟ってもなお、「見たかった」と涙したほどに。
(その星に、今、いるんだけれど…)
 おまけに地球の子なんだけどな、と眺めた窓。
 夜はカーテンを閉めているから、庭の景色も今は見えない。
 それでも、窓の向こうは地球。
 カーテンを開けるか、隙間から外を覗いたならば、きっと夜空が見えるだろう。
 地球の星座が幾つも散らばる、秋の夜空が。
 庭の向こうには、何処までも続く、地球の大地に建つ家などが。
(正真正銘、地球の子供で…)
 地球で生まれて育ったけれども、残念なことに、青い水の星は見たことが無い。
 前の生と同じに身体が弱くて、宇宙旅行に出掛ける機会が無かったから。
 「地球は青い」と知っていたって、未だ一度も見ていない姿。
(……うーん……)
 残念だよね、と思う気持ちは「贅沢な悩み」。
 前の自分が最後まで夢見た、憧れの地球の上にいるのに。
 「地球に着いたら…」と抱いていた夢、それの幾つかは叶ったのに。
(…今日の朝御飯だって…)
 母が焼いてくれたホットケーキは、前の自分の夢だった。
 地球で採れた本物のメープルシロップと、地球の草を食んで育った牛のミルクのバター。
 それをたっぷりと添えたホットケーキを、朝食に食べてみたかった自分。
 「ソルジャー・ブルー」と呼ばれていた頃に。
 自給自足の白い箱舟で、ホットケーキを口にする度に。
 今の自分なら、毎朝だって出来ること。
 母に「焼いて」と頼みさえすれば。
 ホットケーキの他にも沢山、地球の食べ物を並べたテーブルで。


(…ハーレイに貰ったマーマレードも…)
 地球で育った夏ミカンだよね、と考える。
 隣町に住むハーレイの両親、その家の庭で豊かに実った夏ミカン。
 ハーレイの母が、その実で作るマーマレードも、青い地球の恵み。
 毎朝、食卓に置かれているから、すっかり見慣れてしまったけれど。
(…ミルクも地球のだし、パパが食べてるソーセージも、卵も…)
 何もかも全部、地球で出来た食べ物。
 前の自分が夢見た以上に、素敵な世界に生きている自分。
(地球の子に生まれちゃったから…)
 生まれながらに手にした特権、それは最高に素晴らしいもの。
 宇宙から地球を見ていないことを、残念がってはいけないだろう。
 もしも他の星に生まれていたなら、宇宙から地球を眺めるどころか…。
(今度もやっぱり、地球を目指して…)
 旅をすることになったと思う。
 前の自分の記憶が戻って、「青い地球がある」と知ったなら。
 白いシャングリラの頃には何処にも無かった、青い水の星があると知ったら。
(…ハーレイには、ちゃんと巡り会えてる筈だから…)
 いつか地球まで行ってみたくて、ハーレイに頼み込んだだろう。
 「今度こそ、二人で地球に行こうよ」と。
 地球からは遠く離れた星に生まれても、定期航路はある時代。
 ハーレイと二人で宇宙船に乗って、青い星まで旅をしようと。
 白いシャングリラで旅する代わりに、定期船で。
(……でも、やっぱり……)
 今の自分はチビなのだろうし、すぐに地球には行けそうもない。
 両親と一緒の旅ならともかく、ハーレイと旅に出るのは無理。
(…新婚旅行で行くしかないよね…)
 何年も待たされちゃうんだけどな、と容易に想像がつく。
 結婚できる年になるまで、地球は今度も夢の星のまま。
 何処にあるのか分かっていたって、定期船が地球まで飛んでいたって。


(……それって、辛い……)
 また何年も待つだなんて、と考えただけでも悲しい気分。
 いくらハーレイと巡り会えても、心には穴がぽっかりと空いているのだろう。
 青い水の星に行ける時まで、満たされないのに違いない。
 ハーレイが「土産だ」と、地球産のお菓子などを買って来てくれたって。
 父が「お前の欲しかった本だろ?」と、とても立派な地球の写真集をくれたって。
(…生まれた場所、地球じゃなかったら…)
 そうなったよね、と零れる溜息。
 幸いなことに、地球に生まれて、今も地球の上にいるけれど。
 宇宙から見る地球の姿は、肉眼では見ていないけれども。
(……どんなに、ハーレイのことが好きでも……)
 心の中には「青い地球」があって、新婚旅行で「地球に行く夢」が叶っても…。
(…帰りたくない、って思っちゃうんだよ…)
 楽しかった地球での旅が終わって、帰るために宙港に着いたなら。
 ハーレイと二人で暮らしてゆく家、それがある星に帰るのに。
(……ぼくの心は、地球に残ってしまいそう……)
 そしてハーレイと過ごしていたって、きっと心から地球は消えない。
 「また行きたいな」と夢を見ていたり、毎日が上の空だったり。
(……そうなっちゃうから、引越ししちゃう?)
 生まれた星が地球じゃなかったら、と広げる空想の翼。
 ハーレイに「行こうよ」と駄々をこねて。
 どうしても地球で暮らしたいから、青い水の星に引越ししよう、と。
(…ハーレイ、なんて言うのかな?)
 生まれた星を遠く離れて、地球に引越しするなんて。
 もちろん仕事は、また地球で探すことになる。
 ハーレイの腕なら、いくらでも見付かりそうだけれども。
 柔道と水泳の腕はプロ級、そんな古典の教師だから。
 学生時代は優秀な選手、きっと引っ張りだこだと思う。
 地球に転職するとなったら、引く手あまたで。


 そうして仕事が見付かったならば、家を探すのも簡単だろう。
 ハーレイが移る学校がある町、その中の何処か。
(…何処になるのかな?)
 この地域とは限らないよね、と傾げた首。
 地球生まれではない「今の自分」とハーレイの場合、こだわりは無さそう。
 何処の地域を指定されても、地球でさえあれば。
 「憧れの地球だ」と喜び勇んで、其処を目指して旅立つだろう。
 ただし、二人が生まれ育った星の上にも、心を残して。
 ハーレイの両親が暮らす家やら、今の自分が両親と暮らした家やらに。
(…地球に行けるのは、嬉しいけれど…)
 宙港まで見送りに来てくれるだろう、両親たち。
 彼らに「さよなら」と手を振る時には、涙が零れてしまうのだろうか。
 定期船で地球とは繋がっていても、間を宇宙が隔てるから。
 突然、会いたくなってしまっても、今までのようにはいかないから。
(……ぼくの心は、今度は、半分……)
 生まれ故郷の星に残って、地球から想うのかもしれない。
 「パパとママ、どうしているのかな?」と、夜空を見上げた時などに。
 何かのはずみに故郷と重ねて、「懐かしいな」と思った時に。
(…それも困るよ…)
 せっかく地球に引越ししたのに、と辛くなるから、今の暮らしがいいのだろう。
 青い水の星は、まだ肉眼では眺めたことが無いけれど。
 ハーレイと新婚旅行に行くまで、見られる機会は無いのだけれど。
(だけど、心を生まれた星に…)
 半分残して地球で暮らすよりかは、少しだけ我慢する方がいい。
 十八歳になれば、ハーレイと結婚できるから。
 新婚旅行で地球を眺めて、地球に帰って来られるから。
 二人で引越す必要は無くて、二人の生まれ故郷の地球に。
 青く輝く水の星の上に、前の自分が焦がれた星に。


(……生まれた星、地球じゃなかったら……)
 ホントに色々、困っちゃうよね、と改めて気付かされた今。
 今の自分は当たり前のように、地球の恵みを受けているけれど。
 地球で生まれて地球で育った子で、今のハーレイも同じだけれど。
(…神様って、ホントに、ちゃんと考えて…)
 生まれる場所を決めてくれたんだよね、と嬉しくなる。
 ハーレイと地球まで旅してゆくのも、引越すのも悪くはないけれど…。
(心を半分、生まれた星に残しちゃうのは…)
 きっとハーレイも同じだろうから、今の暮らしが断然、いい。
 わざわざ旅をしてゆかなくても、地球なら、いつも此処にあるから。
 青い姿を見られないだけで、青い海も、その広い大地も、全て周りにあるのだから…。

 

          地球じゃなかったら・了


※ハーレイと生まれ変わった星が青い地球とは違ったら…、と考えてみたブルー君。
 もちろん地球には行きたいのですが、引越ししたら辛いかも。地球生まれで良かったですねv











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(もう一度、地球に来ちまった……)
 しかも、あいつと…、とハーレイが、ふと思ったこと。
 ブルーの家には寄れなかった日、夜の書斎で。
 愛用のマグカップにたっぷりと淹れた、コーヒー片手に。
 今の自分が生まれ育って、住んでいる星。
 青く輝く、母なる地球。
(記憶が戻って来る前なら、当たり前だったんだがなあ…)
 自分が「地球にいる」ということ。
 生まれた星なら当たり前だし、何の不思議も無いのだけれど…。
(前の俺だと、地球というのは…)
 長い年月、前のブルーと共に目指した、座標さえ謎だった夢の星。
 宇宙の何処かに、きっとある筈の青い水の星。
 前のブルーが焦がれていたから、前の自分も夢を見ていた。
 いつかブルーと共に行こうと、幾つもの夢を。
(なのに、どれ一つ、叶わないままで…)
 前のブルーは逝ってしまって、ただ一人きりで残された。
 白いシャングリラを、地球まで運んでゆくために。
 ブルーが最後に遺した言葉を、果たさねばという悲壮な決意。
 そのためだけに心に鞭打ち、ひたすらに歩んだ地球への道。
(……やっとの思いで辿り着いたら……)
 其処には、青い星は無かった。
 有毒の海と砂漠化した大地、それらが広がる赤茶けた星があっただけ。
 「機械に繋がれた病人のようじゃ」と、ゼルが痛々しさを嘆いたほどに死に絶えた星。
 それが「前の自分」が訪れた地球で、夢などありはしなかった。
 共に夢見たブルーはいなくて、ブルーの夢まで砕けたから。
 「地球に着いたら…」と描いていた夢、それが悉く。
 青い海など何処にも無いなら、海を眺めに行く夢は終わり。
 緑の森が無いというなら、森にゆく夢も叶わないから。


 「地球は青くない」と知った時の驚愕、そして絶望。
 前の自分が受けた衝撃、それを今でも忘れてはいない。
 「こんな星のために」とゼルが言った通り、ブルーまで失くしたのだから。
 いくら寿命が尽きていたといっても、安らかではなかったブルーの最期。
(…あの頃の俺は、キースがブルーを撃ったというのは知らなかったが…)
 メギドで斃れたことは確かで、恐らくは爆死だっただろう、と考えていた。
 自分が起こしたメギドの爆発、それに巻き込まれて死んだのだ、と。
 美しかった赤い瞳も、何もかも一瞬で燃えてしまって。
(……あいつの命まで差し出したのに……)
 青い水の星など、何処にも無かった。
 せめて青い星が浮かんでいたなら、救われたろうに。
 心の中でブルーに、こう語り掛けて。
 「見えますか、あれが地球ですよ」と。
 其処で全ての務めを終えたら、直ぐにブルーの許へゆくから、と。
(…そうするどころか、打ちのめされたままで…)
 廃墟が広がる地球に降り立ち、ブルーの仇のキースに挨拶してしまった。
 ブルーの最期を知らなかったから、殴りもせずに。
(今、思い出しても、腹が立つんだ…!)
 あの時の俺の馬鹿さ加減に…、とコーヒーを一口、飲み下す。
 「そういや、キースもコーヒー党だ」と、苦い思いに包まれながら。
(…でもって、あいつも、今じゃ英雄…)
 地球を救った英雄なんだ、と腹立たしいけれど、どうにもならない。
 キースが最後に下した決断、それはミュウとの共存だったから。
 その上、ジョミーと共に戦い、グランド・マザーを破壊したから。
(…前の俺は、そいつの巻き添えになって…)
 崩れゆく地球の地の底深くで、カナリヤの子たちを救って死んだ。
 幼い子たちに罪は無いから、白いシャングリラに送り届けて。
 これで務めは全て果たしたと、前のブルーの所へゆこうと。


(そうやって死んで、次に気付いたら…)
 もう一度、地球の上に来ていた。
 死に絶えた後に赤く燃え上がり、不死鳥のように蘇った地球。
 青く輝く水の星の上に、今のブルーと二人でいた。
 十四歳にしかならないブルーとは、まだ一緒には暮らせないけれど。
 教師と教え子、そういった仲で、家を訪ねるのが精一杯。
(…それでも、夢だった地球に来られて…)
 前の俺にとっては二度目の地球だ、と「前の地球」との違いを思う。
(月とスッポンどころじゃないぞ)
 本当に似ても似つかないんだ、と赤茶けた星の記憶を手繰る。
 あれが今の地球の前の姿だとは、自分でも信じられないくらい。
 この目でしっかり見て来たからこそ、「現実だった」と分かるけれども。
(……いやはや、とんでもない星だった)
 それに比べて今は天国、と書斎の中をぐるりと見渡す。
 この部屋に窓は一つも無いから、外の景色は見られない。
 とはいえ、家の外へと出たなら、まずは緑の庭がある。
 その向こうには隣家の庭やら、もっと離れた所まで行けば、ブルーの家やら。
 何処にも豊かな緑が溢れて、公園どころか、自然の野原や山も広がる。
(…前のあいつの夢ってヤツだ…)
 こういう地球で暮らすのがな、と前のブルーの夢を数える。
 今のブルーと既に叶えた夢もあるけれど、これから叶えてゆくものも多い。
 二人で暮らし始める時まで、叶えられないものもあるから。
 こうして地球で暮らしていたって、日帰り出来ない場所だって。
(あいつと婚約したならば…)
 夢の幾つかは、結婚前に叶えられるだろう。
 自分が、愛車を出したなら。
 前の自分のマントと同じ色合いの、濃い緑色の車でドライブ。
 助手席に今のブルーを座らせ、前のブルーの夢を叶えに。


 前のブルーが描き続けた、幾つもの夢。
 寿命が尽きると悟った後には、語らなくなっていたけれど…。
(あいつが忘れるわけがないんだ)
 生まれ変わった今のブルーは忘れていても、切っ掛けがあれば思い出す。
 その瞬間に、何度立ち会ったことか。
 だから叶える夢は山ほど、せっかく地球に来たのだから。
 ブルーと二人で地球に生まれて、青い水の星で暮らしてゆくのだから。
(…俺だって、地球は二度目とはいえ、青い星に来たのは初めてだしな?)
 神様も粋なことをなさる、と感謝していて、気が付いた。
 地球に生まれて来たのだけれども、「違う星だったかもしれない」と。
 ブルーと二人で生まれ変わって来ても、地球とは違った別の星。
(……神様が、そうなさるとは思えんが……)
 可能性としてはゼロではないな、と顎に当てた手。
 もしかしたら今度も、「地球を目指す旅」が待っていたのかも、と。
(アルテメシアとか、ジルベスター星系だとか…)
 前の生にゆかりの場所に生まれて、其処から地球を目指して旅立つ。
 もちろん平和な今の時代に、青く輝く夢の星を見に。
 前のブルーの夢を叶えに、宇宙船に乗って。
(……そうなってくると……)
 ブルーが大きく育つ時まで、叶えられる夢は無いかもしれない。
 いくら記憶が戻っていたって、肝心の地球が遠いから。
 「青い地球」があると分かっていたって、其処へ行けないのでは、どうにもならない。
 写真や映像などを眺めて、前と同じに憧れるだけ。
 いつかは夢の星へ行こうと、ブルーと二人で。
 手の届かない夢を数えて、叶う日を待って。
 二人して地球に生まれていたなら、簡単に叶えられることでも。
 今の自分たちがとうに叶えて、すっかり満足している夢も。


(……うーむ……)
 そいつは少々、厄介だぞ、と想像してみる「別の星」での生活。
 二人で地球への旅に出るまでに、叶えられる夢はあるのだろうか。
 前のブルーが夢に描いて、今のブルーが叶えた夢は…。
(簡単なトコだと、ホットケーキの朝飯だよな?)
 地球の草を食んで育った牛のミルクのバターと、地球で採れた本物のメープルシロップ。
 それらをたっぷりと添えたホットケーキを、青い星の上で食べること。
 今のブルーには容易いことで、その気になれば、毎朝だって…。
(お母さんにホットケーキを焼いて貰って、食って…)
 飽きるくらいに食べられるけれど、他の星に生まれ変わっていたなら、事情は変わる。
 もちろん、地球産のバターやメープルシロップは、他の星でも手に入るけれど…。
(当たり前にあるとは限らないんだ)
 品切れなんかは普通のことで、次の入荷はいつになるやら。
 青い地球の上で暮らしていたなら、売り切れなど、まず、有り得ないのに。
 いつものメーカーの品が無くても、他のが並んでいるものなのに。
(…ホットケーキの朝飯だけでも、一苦労…)
 他の夢となると、もっと大変だよな、と仰ぐ天井。
 地球にいてさえ、日帰り出来ない場所が沢山あるのだから…。
(…季節を選ぶ夢となったら、一度の旅行じゃ…)
 絶対に回り切れないぞ、と妙な自信が湧いてくる。
 「何回、地球に来ればいいやら」と、「生きてる間に、回り切れるか?」と。
 きっとブルーも、夢を叶える旅の途中で気付くだろう。
 「これじゃ、全然、間に合わないよ」と、「ぼくの寿命が終わっちゃうかも」と。
 けれど、途中では終われない夢。
 今度こそブルーの夢を叶えて、青い地球を満喫させてやりたい。
 新しい人生で増えた夢まで、全部纏めて、夢の星の上で。
(……引っ越すかな……)
 青い地球へな、と「別の星に生まれた」時の暮らしに結論を出す。
 生まれた場所が地球でなければ、引っ越そうと。
 ブルーが焦がれた夢の星へと、前の生での二人と同じに、宇宙船で星の海を旅して…。

 

           地球でなければ・了


※青い地球に生まれ変わった、ハーレイ先生とブルー君。地球を満喫してますけれど…。
 もしも別の星に生まれていたなら、事情は変わって来るのです。引っ越すのが一番ですねv












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「ねえ、ハーレイ」
 覚悟しておいて欲しいんだけど…、とブルーが口にした言葉。
 二人きりで過ごす休日の午後に、唐突に。
 テーブルを挟んで向かい合わせの、ハーレイを見据えて。
「覚悟って…。何をだ?」
 いったい何の覚悟なんだ、とハーレイは鳶色の瞳を見開いた。
 今までの会話は、ごくごく普通。
 他愛ないことを話していただけ、覚悟など思い当たらない。
 まるで見当が付かないわけで、ハーレイは首を捻ったけれど。
「覚悟だってば、それ相応の」
 ぼくにして来た意地悪の分、とブルーは答えた。
 唇へのキスをくれないだとか、それを禁止した理由とか。
 意地悪だったら山とあるから、きちんと覚悟するようにと。


「おいおいおい…。覚悟って、将来に向けてか?」
 結婚した後で仕返しなのか、と返したハーレイ。
 意地悪の必要が無くなった後で、俺を苛めに来るのか、と。
「違うよ、もしかしたら、明日かも」
「明日だって!?」
「うん。だけど、来年とか、再来年ってことも…」
 ぼくにも分からないんだよね、とブルーが零した溜息。
 自分でも努力はしているけれども、こればっかりは、と。
「努力だと? 俺に仕返しするためにか?」
 そこまで恨まれているのだろうか、とハーレイは慌てた。
 唇へのキスを禁じているのは確かだけれども、理由も確か。
 十四歳にしかならないブルーに、恋人同士のキスは早すぎる。
(俺はブルーのためを思って…)
 やっているわけで、意地悪じゃない、と言いたい気分。
 けれどブルーには、恐らく通じないだろう。


(うーむ…)
 甘んじて仕返しを受けるべきか、とブルーを見詰める。
 ブルーの努力が実った時には、仕返しされてやろうか、と。
(…だが、妙だな?)
 仕返しが来るのは、明日か、あるいは再来年なのか。
 どんな努力か知らないけれども、どうにも幅がありすぎる。
(…俺に一発、お見舞いしようと…)
 腕の筋肉を鍛えているなら、いきなり「明日」は無いだろう。
 何か悪戯をするにしたって、準備期間は読めそうなもの。
(しかし、ブルーにも分からないとなると…)
 全くの謎な「仕返し」の中身。
 覚悟を決めておくのだったら、やはり心の準備はしたい。
(よし、その線で…!)
 訊いてみるか、と閃いた。
 仕返しをすると言ったブルーに、直接訊くのが一番だから。


「分かった。お前に恨まれるような、俺にも非がある」
 仕返しは受けることにするが…、と赤い瞳を真っ直ぐに見た。
「俺にも心の準備が要るしな、仕返しについて教えてくれ」
 殴るのか、それとも蹴り飛ばすのか、と、ぶつけた質問。
 ブルーはニコリと笑みを浮かべた。
「どうしようかなぁ、ぼくのサイオン次第かな?」
「サイオン?」
「そう! ぼくだって、前みたいなサイオンがあれば!」
 仕返しの方法はドッサリあるよ、と煌めく瞳。
 「そこの窓から放り出すとか、公園の池に落とすとか」と。
 ハーレイになんか負けはしないし、覚悟してよね、と。


「なるほど…。すると、お前が仕返しするのは…」
「サイオンが使えるようになった時!」
 楽しみだよね、と仕返し宣言されたのだけれど。
(……永遠に無理だな)
 こいつの不器用すぎるサイオンではな、と可笑しくなる。
 今のブルーは、サイオンがとても不器用だから。
 思念波もロクに紡げない身で、仕返しなどは不可能だから…。




          覚悟してよね・了









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(……告白かあ……)
 そういうものがあるんだよね、とブルーの頭に浮かんだこと。
 ハーレイが寄ってはくれなかった日の夜、自分の部屋で。
 お風呂上がりにパジャマ姿で、ベッドにチョコンと腰を下ろして。
 何故だか、唐突に湧いて出た言葉。
 告白なんかはしたこともなくて、する予定だって無いというのに。
(…だって、告白…)
 あのハーレイが相手じゃ無理だよ、と掲げる白旗。
 けれど、考えようによっては、何回となく告白している。
 告白する度、鼻先で軽くあしらわれては、砕け散っていると言うべきか。
(ぼくはホントに好きなんだけどな…)
 ハーレイのこと、と零れる溜息。
 前の生から愛した恋人、生まれ変わってまた巡り会えた愛おしい人。
 それなのに、キスもしてくれない。
 恋人同士の唇へのキス、それは当分、お預けだという。
 今の自分は十四歳にしかならない子供で、子供にはキスは早いから、と。
 貰えるキスは額や頬っぺた、そういう子供向けのキスだけ。
(……酷いんだから……)
 どうしてキスしてくれないの、と不満は募ってゆく一方。
 あの手この手でキスを強請っても、「駄目だ」と軽く小突かれる額。
 場合によっては頭にコツンと、拳が降ってくることもある。
 本当の本当に、ハーレイのことが好きなのに。
 いつ望まれてもかまわない上、いつかは結婚する仲なのに。
(…ぼくの告白、子供っぽいわけ?)
 そうなのかもね、という気もする。
 ハーレイはずっと年上なのだし、学生時代はモテたらしいから。
 きっと多くの女性たちから、告白されていただろうから。


 そうなってくると、事は難しい。
 経験値などは無いに等しい、子供などでは話にならない。
 どうやって告白すればいいのか、まるで見当がつかないのだから。
(……ハーレイに告白するんなら……)
 今のやり方では望みはゼロかも、と悲観的な気持ちになってくる。
 いくら「好きだよ」と言ってみたって、繰り返したって、ハーレイの心には響かない。
 それが証拠に、断られるキス。
 「キスしてもいいよ」と言ったって。
 誘うような眼をして、「キスしたくならない?」と訊いてみたって。
(……うーん……)
 ぼくに魅力が無いんだろうか、と思うけれども、どうだろう。
 今の自分は、前の自分の少年時代に瓜二つ。
 遠く遥かな時の彼方で、前のハーレイに出会った頃と。
(…ハーレイ、たまに言ってるよね?)
 前の生では、初めて出会ったその瞬間から、恐らく恋をしていたのだと。
 自覚するのが遅かっただけで、恋は恋。
 恋していたから、甘やかしたり、こっそり特別扱いしていたのに違いない、とまで。
(ぼくが厨房を覗きに行ったら、特別なおやつ…)
 厨房時代のハーレイは、何度も作ってくれた。
 贅沢は出来ない船だったから、少し余った食材などで。
 試作中の料理も「食べて行くか?」と誘ってくれたし、とても幸せだった頃。
(…ぼくだって、まさか恋をしたとは…)
 夢にも思っていなかったけれど、あれは確かに恋だった。
 アルタミラの地獄で出会った時から、お互い、その場で一目惚れ。
 だからピッタリ息が合ったし、それはハッキリ分かっていたから…。
(前のハーレイを、キャプテンに推薦したんだよ)
 ソルジャー就任が決まった瞬間、「キャプテンはハーレイしかいない」と思った。
 操船の経験などは皆無で、厨房で働いていたけれど。
 「船など操れなくてもいいから、ハーレイがいい」と。


 キャプテンといえば、船の最高責任者。
 人類軍と戦うようなことになったら、ソルジャーを全力で補佐する立ち位置。
(…ぼくの命を預けるようなものだから…)
 ハーレイにだったら預けられる、と前の自分は確信した。
 他の者では務まらなくても、ハーレイだったら間違いない、と。
(ハーレイ、悩んでいたんだけどね…)
 それでも、前の自分は推した。
 わざわざハーレイの部屋まで出掛けて、こんな風に言って。
 「フライパンも船も、似たようなものだと思うけれどね?」と、殺し文句を。
 食料が無ければ皆は飢え死に、船が無くても死ぬしかない。
 どちらも船には欠かせないもので、ウッカリ焦がしてしまうと大変。
 そう言って、ハーレイの決断を待った。
 「引き受けてくれるといいんだけれど」と、内心、ドキドキだったけれども。
(……だけど、ハーレイ……)
 悩んだ末に、キャプテンの道を選んでくれた。
 料理とは似ても似つかない操舵、それまでマスターしてくれて。
 シャングリラの癖をすっかり掴んで、右に出る者が無い見事な腕を示して。
(…前のぼくの言葉、前のハーレイの名文句ってヤツになっちゃった…)
 いつの間にやら、ブリッジクルーたちに、ウインクしながら告げる言葉に。
 「フライパンも船も似たようなものさ」と、皆の緊張を解きほぐすように。
 どちらも焦げたらおしまいなのだし、焦がさないように気を付けろ、と。
 ハーレイの経歴を知らないクルーは、いつだって目を丸くしていた。
 「噂には聞いていたんですけど、厨房の出身だったんですか?」と。
 それに応えて、ハーレイは豪快に笑っていた。
 「もちろんだとも」と、「だから、お前も頑張るんだな」と。
 生え抜きのブリッジクルーなのだし、もっともっと腕を上げなければ、と。
 フライパンで料理を作るみたいに、シャングリラを自在に操れるようになってくれ、と。


(前のハーレイは、口説き落とせたんだけれどね……)
 キャプテンになってくれっていう難題、と溜息がまた一つ零れる。
 あちらの方が「告白」などより、ずっと重かったに違いない。
 告白だったら断わったって、恋が砕けるだけだから。
 前の自分が肩を落として、すごすご引き上げてゆくというだけ。
 けれども、キャプテン就任の方は、そう簡単には断れない。
 「他に人材がいない」ことなど、明々白々だったから。
 前のハーレイが断った時は、その任務には向かない者がキャプテンになる。
 ソルジャーと息が合うかどうかが、危うい者が。
 何事も無い日々が続いて行ったら、それでも問題ないのだけれど…。
(……人類軍と遭遇したら、シャングリラは沈められてしまって……)
 皆の命も、ミュウの未来も、全てが宇宙の藻屑と消える。
 それはハーレイも承知していたし、一世一代の決断だったろう。
 後の時代は、「フライパンも船も似たようなものさ」と笑っていても。
 焦がさないことが大切なのだと、皆に軽口を叩いていても。
(……あの時は、上手くいったのに……)
 そしてハーレイはキャプテンになって、前の自分の立派な右腕。
 いつしか恋が芽生えた時にも、誰にもバレなかったくらいに。
 キャプテンがソルジャーの側にいるのは、至極当然のことだったから。
 朝食を一緒に食べていようと、夜更けにソルジャーの部屋を訪れようと。
(……あの時のぼくは、今のぼくより……)
 ほんのちょっぴり、背丈が大きくなっていた。
 年齢で言えば十五歳くらいか、今よりは伸びていた背丈。
 手足もそれに合わせて伸びたし、顔立ちも少し大人びたかも。
 今ほど「チビの子供」ではなくて、「少年」程度に。
 もしかすると、それが大きいだろうか、ハーレイの心を動かせた理由。
 キャプテンになるように口説き落として、厨房から転身させられたのは。


(……そうだとすると……)
 告白するには、今の自分は早すぎるということかもしれない。
 今のハーレイの「キスは駄目だ」は聞き飽きたけれど、もしかしたなら…。
(…もう少し、大きくなったなら…)
 ハーレイの心を揺さぶる力が、今の自分にもつくのだろうか。
 じっと見上げて「好きだよ」と言ったら、「俺もだ」と言って貰えるだとか。
 断わられてばかりのキスにしたって、予定よりも早めに貰えるとか。
(…前のぼくと、同じ背丈に育つまでは駄目だ、って…)
 ケチなハーレイは叱るけれども、頑固な心がグラリと揺れる日。
 今より少し大きくなったら、ついつい心を動かされて。
 キャプテンを引き受けてくれたみたいに、考えを変えて「よし」と頷く。
 まるで有り得ないことでもないよ、と膨らむ夢。
 前のハーレイと恋人同士になった時点は、もっと遥かに後だけれども。
 すっかり育って、少年とは言えない頃だったけれど。
(……ハーレイに告白するんなら……)
 もう少し育った時が狙い目かもね、と閃いた。
 ああいう年頃の「ブルー」の姿に弱いのだったら、望みはある。
 キスのその先は駄目にしたって、唇へのキスくらいなら。
 思っているより、もっと早めに、ハーレイのキスが貰えるだとか。
(……やってみる価値は、絶対、あるよね?)
 上手くいったら儲け物だし、告白しないと損だろう。
 たとえハーレイに断られたって、それはその時。
 今も「当たって砕けろ」なのだし、めげずにぶつかって行けばいい。
 「ぼくにキスして」と、「ぼくのこと、好き?」と。
 でないと先には進めないから、諦めないで。
 断わられてばかりの日々だけれども、大きくなるまで待っていないで。


(……あれ?)
 それだと全く変わらないよ、と気が付いた。
 ハーレイにせっせと告白しては、砕けているのが今の現状。
 もう少し大きく育つ時まで、控えるだなんて、とんでもない。
 いくら望みがあるにしたって、それまで我慢するなんて…。
(……無理だってば!)
 だから駄目でも告白だよね、とグッと拳を握り締める。
 ハーレイのことは大好きなのだし、いつでも告白したいから。
 「告白するんなら、もっと大きくなってから」なんて、耐えられるわけがないのだから…。

 

             告白するんなら・了


※ハーレイ先生に告白しては、砕け散っているブルー君。思い出したのが前の生のこと。
 恋の告白より難しいのが成功しただけに、望みはあるかも。けれど我慢が出来ないようですv











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