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どうも、管理人の「みゆ」でございます。画像は「そるじゃぁ・ぶるぅ」君ですが。



ハレブル別館に置いてる、拍手御礼ショートショート。
月に一回入れ替えてますが、諸事情あってハレブル別館には置けませんでした。
流れ去ったショートの再録場所が要るんだよね、と前から一応、思っていたです。

この際、置き場所作ってみるかな、と作ってみました。
書き下ろしショートも置いてますから、のんびり遊んで下さいね~。
 
※お知らせ。emoji
 書き下ろしショート、果たしてニーズがあるのかどうか。
 拍手システム入れてみました、お気に入りがあればポチッとどうぞ。
 
      
過去の拍手御礼ショートショートと書き下ろしショートの目次は、こちら。
タイトルをクリックで御覧になれます。

※書き下ろしショートの時間軸には「順番」は全くありません。emoji
 何処から読んでも無問題ですv

  
拍手その1・それぞれの場所:いつも座る席を取り替えたら…。
 
拍手その2・毎日が幸せ:毎日が幸せなブルー君。
 
拍手その3・考え事:ハーレイの声を聞いていたら…。
 
拍手その4・帰っちゃ嫌:ハーレイが家に帰るのは嫌。

拍手その5・熱々の季節:暑い夏でもくっつきたい!

書き下ろし1・ハーレイのスープ:ブルーのために作る野菜のスープ。

書き下ろし2・恋人が出来た:思いがけずも出来た恋人。

書き下ろし3・痛かったけれど:痛かったけれど、聖痕は宝物。

書き下ろし4・洗車 :ハーレイ、愛車を洗うの巻。

書き下ろし5・断られたキス:再会のキスも出来なかったなんて…。
 
書き下ろし6・軽すぎるペン:羽根ペンが軽すぎる、慣れないハーレイ。

書き下ろし7・眠っていたから:ハーレイのベッドに瞬間移動が出来たのに…。

拍手その6・足音:ハーレイの足音は分かるのです。
 
書き下ろし8・再会:ブルーが起こした聖痕現象、ハーレイ視点。
 
書き下ろし9・魔法のスープ:ハーレイが作ってくれる野菜スープの魔法。

書き下ろし10・腕で作る輪:腕で作る輪、それに収まるブルーの身体。
         
書き下ろし11・夢みたいだけど:今の身体に生まれ変わったブルー。
    
書き下ろし12・大好きの言葉:ハーレイに何度も言いたい「大好き」。

書き下ろし13・船と車と:シャングリラよりも車が似合いのハーレイ。
     
書き下ろし14・小さな手だけど:小さな手でも、ブルーの右手は幸せ者。
 
書き下ろし15・チビでも愛しい:どんなにチビでも、愛しいブルー。
        
書き下ろし16・恋人は先生:恋人が先生だなんて、絶対に内緒。
        
書き下ろし17・いじらしい敬語:学校ではハーレイに敬語なブルー。
          
書き下ろし18・学校とブリッジ:学校とブリッジは似ているような…。
          
書き下ろし19・柔道部は無理:ブルーが柔道部に入れたら…。
           
書き下ろし20・学校に行きたい:熱を出して学校はお休みなブルー。
             
拍手その7・小さな躊躇い:床に落としたベリー、食べてもいい?
                        
書き下ろし21・おふくろのケーキ:ハーレイの好物、パウンドケーキ。
            
書き下ろし22・ママのケーキ :ハーレイのために焼きたいパウンドケーキ。
 
書き下ろし23・贅沢な朝食 :ハーレイの朝食、前世と比べたらとても贅沢。

書き下ろし24・朝食の風景:食の細いブルー君の朝の食卓。
   
書き下ろし25・変わっちゃいない:前世も今も、ハーレイはハーレイ。
    
書き下ろし26・変わってないけど:前世も今も、ブルーはブルー。
     
書き下ろし27・長袖のワイシャツ:夏でも長袖のハーレイ、前世のせいかも?
       
書き下ろし28・みんなと同じ服:今のブルーの制服は、他のみんなと全く同じ。
        
書き下ろし29・気に入りの書斎:ハーレイの書斎、実はキャプテン・ハーレイ好み?
 
書き下ろし30・帰りたい部屋 :青の間にホームシックなブルー。その理由は?
  
書き下ろし31・忘れた買い物:買い忘れても大丈夫。そういう世界にいるハーレイ。
   
書き下ろし32・忘れられた買い物:買い忘れられても、今は大丈夫。ブルーの世界。

書き下ろし33・ぼくがチビでも:「ぼくがチビでも悲しくない?」と訊いたのに…。
     
書き下ろし34・キャンプ用の椅子:キャンプ用の椅子でブルーとデート。

書き下ろし35・白いテーブル:キャンプ用のテーブルでハーレイとデート。
   
拍手その8・温もりが欲しい:夏でもハーレイの温もりが欲しい、ブルーの右手。
    
書き下ろし36・ブルーが足りない:会えなくてブルー不足なハーレイ。
  
書き下ろし37・ハーレイが足りない:会えなくてハーレイ不足なブルー。
          
書き下ろし38・久しぶりに会えた:ブルー不足とハーレイ不足な日々に終止符。
          
書き下ろし39・天の川を泳ごう:ブルーに会うためなら、天の川でも泳ぎ渡れる。

書き下ろし40・天の川の幅:広い天の川でも、ハーレイは泳いで渡ってくれる。
 
書き下ろし41・天の川を渡って:天の川に隔てられても、会える筈の二人。
              
書き下ろし42・叶えてやれない:ブルーの願いは叶えてやりたいけれど…。
               
書き下ろし43・叶えてくれない:願いを叶えてくれないハーレイなんて…。

書き下ろし44・もう一人いれば:一人の夕食。もしもブルーがいてくれれば…。
                               
書き下ろし45・いて欲しい人:一人でおやつ。ハーレイがいてくれたなら…。
                                 
書き下ろし46・見られない蛍:去年までなら蛍見物。今のハーレイは…。

書き下ろし47・見てみたい蛍:ハーレイと蛍を見に行けたなら…。
                           
書き下ろし48・飛べないあいつ:空を飛べないブルーが愛しい。
                           
書き下ろし49・飛べないぼく:ハーレイに見せてあげたい、空を飛ぶ姿。
 
書き下ろし50・あいつの背丈:背丈が伸びなくても、愛おしいブルー。
  
書き下ろし51・ぼくの背丈:どうして背丈が伸びないのか。ブルーの悩み。
   
書き下ろし52・ブルー日和:今日のような日はブルー日和、と思うハーレイ。
    
書き下ろし53・ハーレイ日和:こんな日はきっとハーレイ日和、と思うブルー。
     
拍手その9・可哀相な動物:可哀相な動物がいるんだけれど、とブルーの主張。

書き下ろし54・歩いてゆける地面:ブルーの所へ歩いてゆける地面。地球の上を。
      
書き下ろし55・歩きたい地面 :ハーレイが歩いただろう地面を歩きたいブルー。
        
書き下ろし56・降りそうな天気:雨が降るかも。キャプテンは勘に頼れないけれど…。
          
書き下ろし57・降りそうだけど:地球に降る雨の最初の一粒。見てみたいブルー。
          
書き下ろし58・恋人がいるだけで:恋人がいるというだけで浮き立つハーレイの心。

書き下ろし59・恋人がいるから:恋人がいるから、寝込んでも心は幸せなブルー。
 
書き下ろし60・走ってゆける:思い立ったら、ひとっ走りしに行ける今のハーレイ。

書き下ろし61・走ってゆきたい:ハーレイの家まで走って行けたら、と思うブルー。
  
書き下ろし62・キスは駄目だ:キスは駄目だと何度叱っても、諦めないブルー。
              
書き下ろし63・キスが欲しいのに:キスが欲しいのに、くれないハーレイ。

書き下ろし64・今度は掴める:今度は掴めるブルーの手。行ってしまう前に。
                 
書き下ろし65・今度は失くさない:何度でも貰えるハーレイの温もり。
                 
書き下ろし66・ずっと愛してる:生まれ変わっても、愛するのはブルー。

書き下ろし67・ずっと大好き:生まれ変わっても、大好きなハーレイ。
 
拍手その10・お腹が空かない?:長いことぼくを食べてないでしょ、と訊くブルー。
                    
書き下ろし68・扉を開けたら:家に帰って扉を開けたら、ブルーがいたなら…。
                                                    
書き下ろし69・扉が開いたら:家に帰って扉を開けたら、ブルーがいたなら…。

書き下ろし70・暑苦しくない:暑い夏でも、暑苦しくない熱の塊。それがブルー。

書き下ろし71・暑くないから:ハーレイにくっついていても、暑くない夏。
                                                
書き下ろし72・行くには早いが:ブルーの家に行くには早いけれども、待てない時間。
                                       
書き下ろし73・まだ来ないけど:まだハーレイは来ないけれども、早起きしたら…。
                                        
書き下ろし74・よく伸びるんだが:ブルーの背丈とは違って、よく伸びる夏草。
                                         
書き下ろし75・よく伸びるんだけど:よく伸びるミントが羨ましくても、自分の背は…。
                                            
書き下ろし76・脱いでいい靴:一日中、靴を履いていなくてもいい今のハーレイ。

書き下ろし77・脱いでもいい靴:一日中、靴を履かなくてもいい今のブルー。

書き下ろし78・ブルーの笑顔:前のブルーよりも多い、今のブルーの笑顔の数。
                                      
書き下ろし79・ハーレイの笑顔:前の自分だった頃から好きな、ハーレイの笑顔。

書き下ろし80・夢だった地球:今のハーレイには当たり前の地球。夢ではなくて。
 
書き下ろし81・夢に見た地球:前のブルーが夢に見た地球。今のブルーが暮らす星。
                                          
書き下ろし82・暑くなっても:暑さは地球の太陽のせい。ハーレイが気付いた今の幸せ。
                              
書き下ろし83・暑いけれども:暑さは苦手でも、地球の太陽。今のブルーは幸せです。
                          
拍手その11・下手くそになった?:キスが下手くそになったんでしょ、と尋ねるブルー。

書き下ろし84・窓の向こうは:ハーレイが窓の向こうに見た朝日。今の地球の夜明け。
                              
書き下ろし85・窓の向こうに:窓の向こうにいつもある地球。今のブルーなら。
                            
書き下ろし86・あの空を旅した:ハーレイが仰いだ夜空。前世で旅をしていた宇宙。
                                               
書き下ろし87・あの空を旅して:ブルーが見上げる夜空。前世で地球を探した宇宙。

書き下ろし88・三日月の夜に:今のハーレイが眺める月。前の自分とは違った視点。

書き下ろし89・チビの三日月:月の方が早く育つなんて、とブルーは膨れっ面で…。
                       
書き下ろし90・川を下る船:川下りの船。いつかブルーを乗せてやろうと思う船。
 
書き下ろし91・川をゆく船:ハーレイと乗りたい川下りの船。大きくなったら。

書き下ろし92・海が似合う夏:いつかブルーと行きたい海。前世で夢見た地球の海へ。

書き下ろし93・夏が似合う海:いつかハーレイと行きたい海。本物の地球の青い海へ。
 
書き下ろし94・欲しかった羽根ペン:今のハーレイ。羽根ペンが欲しいと思ったら…。
                       
書き下ろし95・あげたい羽根ペン:ハーレイの誕生日にあげたい羽根ペン。どうする?
                                  
書き下ろし96・何でも美味い:何でも美味い、と思うハーレイ。多分、前世のせいで。
                        
書き下ろし97・何でも美味しい:好き嫌いが全く無いブルー。きっと、前世のせいで。
                           
書き下ろし98・作ってやりたい:ブルーに作ってやりたい料理。スープの他にも。

書き下ろし99・作ってあげたい:ハーレイに作ってあげたい、好物のパウンドケーキ。
                       
拍手その12・今が食べ頃:ブルー君曰く、今が自分の旬だとか。

書き下ろし100・同じ顔だが:今のハーレイには別の顔。思いもよらなかった顔。

書き下ろし101・同じ顔だけど:前のぼくの顔じゃない、と溜息をつくチビのブルー。

目次・その2: ←102話以降の目次は、こちらvemoji
こちらからも行けます→ http://bluestone.kyotolog.net/Entry/115/

目次・その3:←302話以降の目次は、こちらv
こちらからも行けます→http://bluestone.kyotolog.net/Entry/320/

目次・その4:←518話以降の目次は、こちらv
こちらからも行けます→https://bluestone.kyotolog.net/Entry/600/

目次・その5:←602話以降の目次は、こちらv
こちらからも行けます→https://bluestone.kyotolog.net/Entry/727/
        
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 書き下ろしショート、果たしてニーズがあるのかどうか。
 拍手システム入れてみました、励ましにぽちっと…貰えると感謝。

※拍手下さった方、ありがとうございます~!emoji
     
                     
                       
           


       

拍手[2回]

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(俺とあいつは、生まれ変わって…)
 うんと幸せになるんだよな、とハーレイが思い浮かべた恋人の顔。
 ブルーの家には寄れなかった日の夜、いつもの書斎で。
 愛用のマグカップに淹れた熱いコーヒー、それを片手に。
 遠く遥かな時の彼方では、ブルーとの恋は成就しなかった。
 二人だけの間の秘密で終わって、おまけにブルーを失くしてしまった。
(しかし今度は、何の支障も無いわけで…)
 チビのブルーが結婚出来る年になったら、この家で一緒に暮らしてゆける。
 あと何年かの間の辛抱、それからは幸せ一杯の日々が続いてゆく。
 家に帰ればブルーがいるし、朝もブルーに送り出されて仕事に行ける。
 休みの時には、ドライブに行ったり、旅行したりと、この青い地球を満喫する。
 前の生でブルーと交わした約束、それを叶えてゆくために。
(約束、山ほどしたからなあ…)
 どれを最初にすればいいやら、と可笑しくなってしまうけれども、それも楽しい。
 ブルーと色々相談しながら、夢だったことを現実にする。
 高山に咲く青いケシを見るとか、本物のサトウカエデの森を訪ねるとか。
(忙しくなるぞ、結婚したら)
 休みは全部、あちこち飛び回る間に終わりそうだ、と苦笑する。
 とはいえ、今のブルーも身体が弱いし、休みも取らねばならないだろう。
 休養する間が、実質上の休みという勘定になりそうだ。
(あいつは家でのんびり過ごして、俺はジョギングに出掛けて行って…)
 ジムのプールで軽く泳いで、それから家に帰って来る。
 帰る頃には、ちょうど昼前くらいだろうか。
(そこから俺が飯を作って、二人で食べて…)
 ブルーは午後もゆっくり昼寝で、ハーレイの方も自分だけの時間を過ごせそう。
 書斎で本を広げて読むとか、リビングの床で昼寝だとか。
(きっと、そういう未来だよなあ…)
 結婚したら、と頬を緩めて、早く時間が経って欲しい、と願ってしまう。
 待つのは苦にはならないけれども、ブルーと一緒に暮らす日だって、待ち遠しい。
(あいつの前では、ゆったり構えているんだが…)
 実は一日千秋かもな、とコーヒーのカップを傾ける。
 「俺だって、早く結婚したいんだ」と。
 せっかく生まれ変わって来たのに、ブルーとの恋が成就するのは、何年も先になるのだから。


 そうは言っても、この待ち時間も、生まれ変わって来たからこそ。
 前のブルーとの恋の続きを、青い地球の上で、という神様の粋な計らい。
(新しい命と身体を貰って、新しい人生を生きてるわけで…)
 いわば白紙のようにまっさら、真っ白な上に新しい恋を描いてゆく。
 今のブルーと、あれこれ夢を叶えて、旅行をして。
 時には喧嘩をしてしまったりと、様々なことが起きるのだろう。
 前の生では、夢にも思いはしなかったことが、ヒョッコリと降って来たりもして。
(…なんたって、平和な世界なんだし…)
 何が起きても知れてはいるが…、と考えてみる。
 「ヒョッコリと起きる」何かについて、「例えば、どんな?」と首を捻って。
(…ペットなんかは、あるかもなあ…)
 今のブルーは、今のハーレイが子供の頃に飼っていた猫に興味がある。
 本当の飼い主はハーレイの母だったけれど、ブルーにとっては、大事なことではない。
 「ハーレイの家には、猫がいた」という所がポイントと言えるだろう。
(ミーシャの話をしてやると、いつも嬉しそうだし…)
 もしかしたら「ぼくもペットを飼ってみたい」と、ある日、強請ってくるかもしれない。
 「飼っていいなら猫がいいな」と、「ミーシャみたいに、真っ白なのを」と。
(…そう強請られたら、反対する理由は無いからなあ…)
 ペットの寿命は長くはないし、いずれ別れの時が来る。
 ブルーがそれを承知で言うなら、ペットを飼うのを許してやって…。
(家に真っ白な猫が一匹…)
 新しい家族になって加わり、ブルーの愛を奪ってゆく。
 ハーレイが「ただいま」と帰宅したって、ブルーは猫をしっかりと抱いて…。
(おかえりなさい、と出て来るだけで、下手をしたなら…)
 出て来る代わりに、猫と遊んでいるかもしれない。
 あるいは毛皮の手入れに夢中で、ハーレイが家に帰ったことにも気が付かないとか。
(……うーむ……)
 そいつはキツイ、と泣きそうだけれど、仕方ない。
 ブルーには新しい人生を楽しむ権利があって、ペットとの日々も、その一つ。
 前の生からの恋人がいても、新しい家族がいるのなら…。
(そっちに愛情、移っちまっても…)
 何も文句は言えないよな、と溜息が一つ零れてしまった。
 「ヒョッコリ降って来るのは、コレか」と、新しい人生ならではの試練を思って。
 「他にも何かありそうだよな」と、こめかみを軽く揉んだりもして。


 新しい命を貰ったブルーは、新しい人生を歩んでゆく。
 前のブルーとは違う人生になって当然、それが自然なことだろう。
(ペットと暮らして、うんと可愛がって…)
 ハーレイのことがお留守になるのも、おかしくはないし、責められもしない。
(むしろ喜ぶべきことで…)
 温かく見守ってやるべきなんだよな、と分かってはいる。
 前のブルーには、ペットを飼うことは不可能だった。
 「青い鳥が欲しい」という細やかな夢も、白いシャングリラでは叶わなかった。
(だから、あいつは…)
 青い鳥の代わりに、青い毛皮のナキネズミで我慢するしかなくて、そのナキネズミも…。
(ペットには出来なかったんだ…)
 色々と事情があったからな、と時の彼方を思い出す。
 それを鮮やかに覚えているから、ブルーの愛をペットに奪われたって、耐えるしかない。
 前のブルーには出来なかったことを、今のブルーがするというなら、それだって…。
(約束したことを叶えてゆくのと同じで、前のあいつの夢だから…)
 仕方ないさ、とフウと溜息、ペットが来た時は諦めるしかないだろう。
 ブルーを盗られてしまっても。
 「あれっ、ハーレイ、帰っていたの?」と、かなり経つまで気付かれなくても。
(…俺は晩飯の支度をしながら、ブルーが気付いてくれるまで…)
 待つしか道は無いんだよな、と情けないけれど、我慢しなければ。
 今のブルーが歩む人生、それを横から邪魔してはいけない。
 何故なら、ブルーの人生だから。
 新しい命と身体を貰って、生きているのは「ブルー」だから。
(…俺だって、ブルーに出会うまで…)
 好き放題に生きて来たわけなのだし、ブルーにしても同じこと。
 「ハーレイ」が現れるのが早かっただけで、もっと遅くに出会うのならば…。
(あいつも人生を満喫してから、俺と再会出来たんだしな…)
 俺の勝手で縛っちゃ駄目だ、と自分自身に言い聞かせる。
 ペットにブルーを盗られようとも、グッと我慢で、見守るべきだ、と。
(俺の方が年上なんだしなあ…)
 しかし、ペットはキツイよな、と肩を竦める。
 ブルーの愛を、横から奪ってゆくなんて。
 よりにもよって白い猫なんかに、大事なブルーを盗られるなんて。


(猫だぞ、猫…!)
 おまけに名前はミーシャかもな、と頭の中がクラクラしそう。
 相手が同じ人間だったら、此処は一発、勝負を挑んで、ブルーの心を…。
(取り戻す、ってことも出来るんだろうが、猫ではなあ…)
 そもそも勝負になりやしない、と頭を抱えたくもなる。
 同じ土俵に立てない猫には、どう頑張っても敵いはしない。
 ついでに、同じ家で暮らしているわけなのだし、分が悪すぎる。
(ブルーが「今夜は、ミーシャと寝るよ」と抱いてベッドに行っちまったら…)
 俺はベッドでも一人じゃないか、と軽くショックを受けてしまった。
 なんという手強い恋敵だろう、ペットを飼われてしまったら。
(…だが、飼いたいと言われたら…)
 許してやるしかないんだよな、と悲しい気持ちがこみ上げてくる。
 「なんてこった」と、「しかし、あいつの人生なんだ」と、泣きたい気分になって来た。
(頼むから、ペットを飼いたいだなんて…)
 言ってくれるなよ、と祈りたいけれど、ブルーの人生の邪魔は出来ない。
 新しい人生の邪魔をするなど、絶対にしてはいけないこと。
(…相手が人間様じゃなかった分だけ、マシだと思って…)
 猫は我慢だ、と自分の心を宥め、懇々と諭した所で、ハタと気付いた。
 今のブルーが新しい人生を歩んでゆくなら、前のブルーとは色々な部分が違って来る。
 本物の両親から生まれた上に、幸せ一杯に育ったのだから…。
(もしかしなくても、好みも前とは違うってわけで…)
 人間様の好みの方でも、そうなるのかも、とクラリと来た。
 今のブルーは、たまたま「ハーレイと再会した」から、今はハーレイに「惚れている」。
 前の生からの恋人に夢中で、ハーレイしか見えていないのだけれど…。
(…ひょっとしたら、俺とは違うタイプの人間が…)
 今のあいつの好みなのかも、と恐ろしい考えに背筋がゾクリと冷えてゆく。
 これから人生を歩んでゆく間に、ブルーは「出会う」のかもしれない。
 今のブルーの好みにピッタリ、そういうタイプの人間に。
 「ハーレイよりも、カッコよくない?」と、思わず惹かれてしまう「誰か」に。
(…俺とは全く、違うタイプに…)
 目を向けないとは言い切れないぞ、と本当に怖くなって来た。
 違う人生を歩んでいるなら、好みだって変わりもするだろう。
 前のブルーが生きた人生の場合だったら、「ハーレイが一番」なのだけれども…。
(…今のあいつだと、違うタイプに…)
 惚れちまうこともあるんだよな、と足元が崩れ落ちてゆきそう。
 ペットどころか、自分以外の「人間様」に、ブルーを盗られてしまうのかも、と。


 それだけは無い、と思いたい。
 今の自分には「ブルーだけ」だし、ブルーもきっと、そうなるように…。
(神様が計らって下さったからこそ、聖痕があって…)
 俺たちは出会えたんだしな、と思いはしても、確証があるわけではない。
 神から「そうだ」と聞いてはいないし、証文だって貰っていない。
(…まさか、まさか…な…?)
 今のブルーは違うタイプに惚れちまうとか、と怖い考えが止まらない。
 「そうではない」とは、誰も言ってはくれないから。
 新しい人生を歩むブルーが、「違うタイプに」惚れない保証は何処にも無くて…。
(そうなった時は、俺は一人で…)
 ポツンと残されちまうのか、と身体が震え出しそう。
 ある日、ブルーが、違うタイプに惚れたなら。
 まだ結婚もしていないのなら、ブルーは新しく「惚れた」相手に心を移して去ってゆく。
 前の生からの恋人のことは、もはや、どうでもよくなって。
 新しく見付けた恋に夢中になって、「ハーレイ」は頭から消えてしまって。
(そいつは困る…!)
 大いに困る、と思うものだから、今のブルーには、ペットで済ませて貰いたい。
 新しく愛情を注ぐ相手を作るのだったら、人間様ではなくて、ペットで。
(…あいつの人生、縛っちゃ駄目だと思いはするが…)
 違うタイプに惚れるのだけは勘弁してくれ、と強く目を閉じ、神に祈らずにはいられない。
 青い地球の上で、ブルーと生きてゆきたいから。
 ペットにブルーを盗られようとも、同じ家で暮らしてゆきたいから…。



           違うタイプに・了


※ブルー君の好みが「ハーレイ」とは違うタイプかも、と思ってしまったハーレイ先生。
 違う人生を生きているなら、そういうことも有り得そう。それは勘弁して欲しいですよねv







拍手[0回]

「ねえ、ハーレイ。難しくっても…」
 諦めちゃったらダメだよね、と小さなブルーが傾げた首。
 二人きりで過ごす休日の午後の、お茶の時間に唐突に。
 お茶とお菓子が置かれたテーブル、それを挟んで。
「難しいって…。そいつは、宿題なのか?」
 珍しいな、とハーレイは鳶色の瞳を軽く見開いた。
 ブルーはいわゆる「優等生」で、成績優秀で頭がいい。
 運動の類は駄目だけれども、苦手科目は無かった筈だ。
 それが宿題で行き詰まるとは…、と少し可笑しい。
 けれどブルーは、「ううん」と、即座に首を横に振った。
「今日は違うよ、そりゃ、ぼくだって、ごくたまに…」
 宿題で詰まることもあるけれど、とブルーが首を竦める。
 「ホントに、たまに」と、滅多に無いのを強調して。
「分かった、分かった。要は、今回は違うんだな?」
 今回は、とハーレイは、わざと繰り返してやった。
 意地になって否定するブルーが、とても面白かったから。


「笑わないでよ! でも、本当に違うんだって!」
 今回はね、とブルーも「今回は」と其処に力を入れて来た。
「宿題じゃなくって、パズルだってば!」
「パズル…?」
「そう! ハーレイ、こんなの解けるわけ?」
 コレなんだけど、とブルーが出して来たのは新聞だった。
 丸ごとではなくて「切り抜いた」もので、確かにパズルだ。
 数字を入れてゆくらしいけれども、解けないらしい。
「ああ、コレか…。こいつは、ちょいと厄介かもな」
 お前の鉛筆、貸してくれるか、とハーレイは戦闘開始した。
 この類ならば、学生の頃に流行っていたから、何とかなる。
 ただし、時間はそれなりにかかる。
 見た瞬間に「こうだ」と閃くものとは違って、根気が必要。
「うーむ…。ここにこう、と…。いや、こっちだな」
 でもって次は…、と升目を埋めてゆくのをブルーが見守る。
「そっか、そうやって解いていくんだ…?」
「お前、知らずにやっていたのか?」
「そうだよ、だって解き方、何処にも載ってなくって…」
 上級者向けってあっただけ、とブルーは苦笑した。
 「だけど、ぼくには無理だったんだよ」とパズルを指して。


 どうやらブルーは、「上級者向け」に挑戦しただけらしい。
 解き方も分かっていないというのに、出来る気になって。
「お前なあ…。まずは自分の力量ってヤツを、だ…」
 把握しないとダメだろうが、とハーレイは呆れ顔になる。
 「難しい以前の問題だろう」と、無理なものは無理、と。
「そう思う? ぼくがあそこで諦めてたら…」
 コレは解けないままなんだよね、とブルーは鉛筆を出した。
「もしかしなくても、ここ、コレじゃない?」
 合ってるかな、とブルーが書いた数字は正解だった。
「ほう…。だったら、ここも分かるのか?」
「んーとね、多分なんだけど…。コレでいいかな?]
 あんまり自信が無いんだけれど、と書き込んだ数字は正解。
 ブルーはパズルの「解き方」を理解したのに違いない。
「なるほどなあ…。俺が解くのを見て覚えた、と」
「うん。でも、諦めていたら、解けないままだよね?」
 新聞を切り抜いて来なかったら、というのは正しい。
 まるで間違ってはいないのだから、正論だった。
 ついでに言うなら、諦めないのが大切なのも、また正しい。
 だからハーレイは笑顔で言った。
 「その通りだな」と、ブルーの言葉を肯定して。


「お前が言うのも、間違っちゃいない。正しいことだ」
 諦めたらゲームオーバーだしな、とハーレイは笑う。
 「試合だったら終わっちまう」と、柔道を少し説明して。
 柔道の試合には、決まりが色々あるのだけれど…。
「相手に技をかけられた時に、技によっては、だ…」
 かけられただけで試合終了にはならん、と教えてやる。
 試合時間がまだあるのならば、チャンスはある。
 相手の技から逃れられたら、一転、攻撃に移れもする。
 そうなった時は一発逆転、勝利を掴むことだって出来る。
「もう完全に負けだろうな、と誰もが思うくらいでも…」
「勝てちゃうんだ?」
「そういうことだな、まさに劇的な勝利ってヤツだ」
 何度も実際、見て来たんだぞ、とハーレイは大きく頷く。
 「今の学校に来てからだって、あったんだしな」と。
「そうなんだ…。だったら、やっぱり、難しくっても…」
「諦めちゃダメだ、ってことだな、うん」
 お前の場合は頭で勝負になるんだろうが、と相槌を打つ。
 「柔道なんかは出来やしないし、パズルくらいだな」と。

「まあ、そうだけど…」
 そうなんだけど、とブルーは赤い瞳を瞬かせた。
 「他にも諦めちゃダメなことがね」と、難しい顔で。
「まだあるのか?」
 お次は何だ、とハーレイの目が丸くなる。
 「上級者向け」のパズルは他にもあったのだろうか。
(…俺の手に負えるヤツならいいが…)
 解けなかったら、今日は一日パズルなのか、と悲しくなる。
 せっかくブルーと過ごせる日なのに、パズルだなんて。
 そうしたら…。
「あのね、どうしたらハーレイにキスを貰えるか…」
 諦めちゃったらダメだもんね、とブルーが微笑む。
 「頑張らないと」と、「難しくっても、諦めないで」と。
「馬鹿野郎!」
 それは違う、とハーレイは軽く拳を握った。
 銀色の頭をコツンと叩いて、その挑戦を阻止するために。
 そんな難問には挑むことなく、諦めるのが正解だから…。



          難しくっても・了






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(……お昼寝かあ……)
 なんだか縁が遠くなったよね、と小さなブルーは、ふと考えた。
 ハーレイが寄ってはくれなかった日の夜、自分の部屋で。
 お風呂上がりにパジャマ姿で、ベッドにチョコンと腰を下ろして。
(…お昼寝するより、ハーレイと話していたいから…)
 すっかり御無沙汰になっちゃった、と昼寝というものを思い返してみる。
  昼寝をしなくなった、とは言わないけれども、時間は減った。
 ハーレイと再会する前だったら、昼寝をするなら、ぐっすり、たっぷりだったのに。
(…今だと、ハーレイが来ない時しか…)
 そういう昼寝は出来ないわけで、ついでにハーレイが来ないとなると、落ち着かない。
 ハーレイが来ない休日となったら、頭の中がぐるぐる回って、昼寝するような気分には…。
(全然、なって来ないんだってば!)
 ホントにダメ、と自分の頭をポカポカと叩く。
 なんとも子供じみた幼い感情、独占欲とも言うかもしれない。
 それが昼寝の邪魔をするせいで、ハーレイが来ない日は起きたまま。
 「今、ハーレイはどうしてるかな?」と気になって。
 研修だったら、まだマシだけれど、柔道部の活動で来ないとなったら酷くなる。
 柔道部員が「ハーレイ先生」を独占していて、寄越してくれないわけだから。
 ハーレイの方も、柔道部の生徒にかかりっきりで、面倒を見ているに違いない。
 練習や試合を熱心に指導し、終わった後には、食事にだって連れて行く。
 「よく頑張ったな」と、ブルーも好きでたまらない笑顔を、柔道部員たちに振り撒いて。
 一人一人に言葉を掛けて、肩を叩いてやったりもして。
(それから、みんなでお店に入って…)
 ハーレイが「何でも好きに注文しろよ」と、気前よく皆に言うのだろう。
 「支払いのことは気にするなよな」と、「食べ盛りなんだから、好きなだけ食え」と。
(…きっとそうだ、って考え始めてしまったら…)
 眠気なんかは消えてしまって、昼寝をしているどころではない。
 逆に目が冴え、窓の外に何度も視線をやっては、苛立つばかりで昼寝なんかしていられない。
 窓からの風が気持ち良くても、昼寝にピッタリの天気でも。
 ハーレイと再会する前だったら、「ちょっとお昼寝」と、横になっていたのは確実でも。
(……ぼくって、心が狭いわけ?)
 そうじゃないよね、と自分自身を振り返ってみて、「違うと思う」と結論を出す。
 前の自分の頃と違って、ハーレイを独占出来ないせいで、そうなるのだろう。
 ソルジャー・ブルーだった頃なら、ハーレイは「当たり前に」側にいたのだから。


 そうだったよね、と時の彼方を思うけれども、果たして本当に「そう」だったのか。
 ハーレイは常に側にいたのか、違ったのか。
(…ずっと側にいたなんてことは、なかったっけ…)
 だってキャプテンだったんだしね、と答えは簡単にポンと出て来た。
 前のハーレイは白いシャングリラを預かるキャプテン、今よりも遥かに多忙だった。
 それこそ昼寝をする時間も無く、いつもブリッジにいたと言ってもいいだろう。
(…前のハーレイが昼間に寝たのは、仮眠くらいで…)
 昼寝などしていなかったのだし、暇だったという筈がない。
 当然、「ソルジャー・ブルーの側にいる」のは、空き時間か、報告などの用がある時。
 それ以外は、仕事が終わる時間まで、青の間には来ないで、ブリッジにいた。
(…そうなんだけど、でも…)
 前のハーレイが何処にいようと、前の自分には「安心出来る」理由があった。
 文字通りに最強のタイプ・ブルーで、強大なサイオンを誇っていたからこその裏技。
(…シャングリラ中に、サイオンの糸を張っていたほど…)
 前の自分はサイオンの扱いに優れていたから、何の心配もしていなかった。
 ハーレイが船の何処にいたって、知ろうと思えば直ぐに分かったし、姿も見られた。
 「今はブリッジにいるんだよね」とか、「食堂なんだ」といった具合に。
(…そういうの、出来なくなっちゃったから…)
 今のぼくは、気になりすぎて昼寝も出来ないんだよ、と溜息をつく。
 もっとも、人間が全てミュウになっている、今の時代だと…。
(知りたくっても、サイオンで調べたりするのは、マナー違反で…)
 やったら駄目だと言われちゃう、と思いはしても、やっている人はいる気がする。
 恋人が来てくれなかった日に、つい探ってしまう人は、この世の中に…。
(絶対いない、ってわけがないって!)
 人間、そこまで立派じゃないし、と自分自身に言い訳してから気が付いた。
 「そういう人は、きっといるから」と真似をしようにも、今の自分には出来ないらしい。
 不器用になってしまったサイオン、それを使って探ろうとしても…。
(努力するだけ、無駄なんだってば…!)
 ハーレイの姿も見えて来ないよ、と悔しくなって涙が出そう。
 「これじゃ昼寝は出来やしない」と、「ハーレイがいないと、落ち着かなくて」と。
 更に言うなら、ハーレイが訪ねて来てくれた日は…。
(どんなに具合が悪い時でも、頑張って起きていたいほど…)
 時間が惜しくて寝たくないから、「寝ろ」と言われて、渋々眠ることになる。
 ハーレイが「俺が起こしてやるから」と言ってくれても、ベッドの側にいてくれても。
 そっと手を握って「ぐっすり眠れ」と、優しい声で告げてくれても。


(……うーん……)
 そうなってくると、昼寝は当分、出来ないらしい。
 まるで出来ないわけではなくても、ハーレイが来てくれている時に限定で…。
(ちゃんと早めに起こしてよね、って念を押すから、寝てる時間も…)
 ぐっすり、たっぷりとはいかない勘定。
 ハーレイの声で起こされるまでの、限られた時間しか昼寝は出来ない。
(じゃあ、どうしたら…)
 前みたいにゆっくり、お昼寝出来るの、と「これから先」を考えてみたら、長かった。
 結婚出来る年を迎えて、ハーレイと一緒に暮らし始めるまで無理だろう。
 それまではきっと、今と同じで、「ハーレイのことが気になりすぎて」眠れない。
 たとえ婚約したとしたって、ハーレイには仕事があるのだから。
(…柔道部の活動でお出掛けしちゃう日も、きっとあるよね…?)
 そういった時は、今の自分と同じ状態になってしまって、気に掛かるのに違いない。
 「ハーレイは、今、何をしてるの?」と、「部員のみんなと、食事なのかな?」などと。
 なんとも心が狭いけれども、こればかりは自分でも、どうにもならない。
 気にしないでいられる強さは無いし、マナー違反をしてでも探るサイオンも持ってはいない。
(お昼寝、うんと先まで、お預け…)
 ハーレイと結婚するまでは…、と悲しい気分で、その一方で楽しみでもある。
 前の生では、ハーレイは昼寝が出来ない仕事に就いていた。
 シャングリラのキャプテンに昼寝は無理で、昼間に寝たのは「仮眠」だけ。
(…前のぼくは、お昼寝していたけれど…)
 身体が弱るよりも前から、昼寝は好きな時間にしていた。
 「ちょっと寝よう」とベッドに入って、ぐっすり、たっぷり、気が向くままに。
(でも、ハーレイには…)
 そんな余暇など無かったのだし、今度はゆっくり眠って欲しい。
 好きな時間に、好きなだけ。
 気が向いた時にベッドに出掛けて、自然に目が覚める時間まで。
(うん、いいよね…)
 前のハーレイには出来なかったんだもの、と頬を緩めて嬉しくなる。
 青い地球まで二人で来たから、「昼寝するハーレイ」を見ることが出来る。
 今はまだ、ずっと先の話で、結婚するまで、目にすることは出来ないけれど。
 ハーレイと一緒に暮らす家でしか、その光景は見られないけれど。
(…よく寝てるよね、って側で眺めて…)
 ぼくは本でも読んでいようかな、と幸せな気持ちで一杯になった。
 今は「ハーレイがやってくれている」立場を、「今度は、ぼくがやるんだよ」と。
 ハーレイの寝顔を見守りながら、読書をしたり、お茶を飲んだりといった具合に。


 とても素敵な未来の時間。
 前の生では見られなかった「ハーレイの昼寝」を、ベッドの側に座って眺める。
 顔立ちをよくよく観察したり、寝息に耳を傾けたりと、飽きもしないで、のんびりと。
(…ホントに幸せ…)
 うんと幸せ、と思ったけれども、どうだろう。
 一緒に暮らし始めて直ぐなら、確かに飽きずに、幸せたっぷりだろうけれども…。
(ハーレイのお昼寝、その内、当たり前のことになっちゃうんだよね…?)
 もう珍しくもなくなって…、と「それ」は容易に想像がついた。
 最初の間は新鮮な時間で、驚きも発見も、きっと沢山。
 けれども、当たり前になったら、飽きてしまうのは時間の問題かもしれない。
 そして飽きたら、ブルーを待っているものは…。
(…なんでいつまでも寝ているの、って…)
 ハーレイの横でイライラしながら、「まだ起きないの?」と腹を立て始めるという現象。
 「起きたら一緒に散歩に行こう、って寝る前に約束していなかった?」と。
 あるいは「おやつの時間で、お茶の支度も出来てるのに!」などと、眉を吊り上げて。
(…ホントにありそう…)
 二人で朝からケーキを焼いて、「おやつに食べよう」という時だってあるだろう。
 ハーレイが昼寝をしている間に、ケーキを切って、お茶の支度も整えたのに…。
(起きてこなくて、気持ちよさそうに寝ちゃってて…)
 ぼくだけケーキを食べるわけにも…、と思うものだから、困った事態になりそうではある。
 寝ているハーレイを叩き起こすか、ケーキを食べるのは諦めるか。
(…二人で作ったケーキだったら、まだいいんだけど…!)
 今のハーレイの大好物は、パウンドケーキというヤツだった。
 それも「ブルーの母が焼いたケーキ」で、ハーレイの母のと全く同じ味らしい。
 いわゆる「おふくろの味」だと聞いて、それをブルーも作りたくなった。
 ハーレイに喜んで食べて欲しくて、「ぼくも作れるようになるんだ」と決意している。
 いずれ母からレシピと作り方を教わり、上手に焼くために練習をして…。
(ハーレイのために焼くんだから、って…)
 大きな夢を描いているわけで、結婚する頃には、作れるようになっているだろう。
 だから二人で暮らす家では、何度も焼いて、ハーレイと食べて…。
(ハーレイが「やっぱり、これが最高だよな」って…)
 褒めてくれるのが嬉しくて、その日も朝から頑張って焼いて、お茶の時間になったのに…。
(…そのハーレイが、お昼寝中で…)
 起きて来ないなんて最悪だから、と涙が出そう。
 せっかく作ったパウンドケーキが、テーブルの上で待ちぼうけなんて。
 ケーキどころか、ケーキを焼いたブルー自身も、一人きりで放っておかれるなんて。


(あんまりだってば…!)
 それって酷い、と思いはしても、昼寝するのはハーレイの自由。
 現に自分も、ついさっきまで「当分、縁が無さそうだよね」と昼寝を懐かしんでいた。
 「ハーレイと結婚するまでは無理」と、「それまでは時間限定みたい」と。
(…じゃあ、どうしたら…?)
 どうすればいいの、と悩んでしまう。
 昼寝の時間は、どうすれば戻って来るのだろうか。
 思い付いた時にベッドに入って、好きなだけ、ぐっすり、たっぷり眠れる昼寝。
 今の自分には出来ない昼寝を取り戻すには、結婚するしか無さそうではある。
 ところがどっこい、結婚したら、ハーレイにも「昼寝する権利」があって…。
(…前のハーレイには出来なかったこと、ぼくは誰よりも知っているから…)
 ハーレイに向かって「昼寝しちゃダメ!」などと言えはしないし、叩き起こすのも…。
(なんだか悪いし、昼寝するんなら、どうするのが…)
 いいのかな、と頭を抱えてしまったけれども、閃きが天から降って来た。
 「一緒に寝ればいいんだよ!」と。
 ハーレイと一緒に昼寝するなら、お互い様になるだろう。
 どっちが後まで寝ていたとしても、それは「その時の条件次第」。
 時によっては、ハーレイの方が先に目覚めて、夕方になっても起きないブルーを…。
(よく寝てるよな、ってクスクス笑って…)
 何度も寝顔を覗いたりしながら、夕食の支度をするかもしれない。
 「今日のおやつは、デザートになってしまいそうだな」などと、鼻歌交じりに。
 「自分でケーキを焼いてたくせに」と、「まあ、いいんだが」と、可笑しそうに。
(…ぼくの方が先に起きちゃった時も…)
 たまにはこういう時もあるよね、とハーレイの鼻をつまんだりして、のんびりと待つ。
 「パウンドケーキは日持ちするから」と、「明日の方が美味しいくらいかもね」と。
(味が馴染んで、うんと美味しく…)
 食べられる類のケーキもあるから、二人でケーキを焼いた時でも、ゆったり待てそう。
 二人で昼寝を始めたのなら、一緒に昼寝していたのなら。
(うん、ハーレイと昼寝するんなら…)
 一緒が一番、と答えは出たから、もう困らない。
 ハーレイと二人で暮らし始めたら、ゆっくり昼寝で、ハーレイも一緒に昼寝だから…。



           昼寝するんなら・了


※ハーレイ先生と暮らし始めるまで、ゆっくり昼寝は出来そうにないブルー君ですけど。
 結婚したら、ハーレイ先生にも昼寝の権利があるのです。一緒に昼寝をするのが良さそうv








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(…昼寝か…)
 とんと御無沙汰になっちまったな、とハーレイが思い出した、心地よいこと。
 ブルーの家には寄れなかった日の夜、いつもの書斎で。
 愛用のマグカップに淹れた熱いコーヒー、それを片手に。
(どのくらい、御無沙汰してるんだ?)
 いつから昼寝をしていないやら、と指を折りながら時を遡ってみる。
 今年の夏休みは、全くしてはいなかった。
 大抵はブルーの家で過ごして、そうでない日は柔道部の活動などで出掛けてばかり。
 家でのんびり昼寝する暇は、まるで無かったと言うべきか。
(しかし、柔道部だとか、学校関係の方はともかく…)
 ブルーの家に行っていた日は、「暇が無かった」では通らない。
 暇だからこそ、前の生からの恋人の家に出掛けて行って…。
(あいつと話して、一緒に飯を食ったりもして…)
 朝から晩までいたわけなのだし、暇だからこそできることだろう。
 その代わり、昼寝が出来なかったというだけで。
 訪問先の家で寝るなど、失礼でしかないのだから。
(学生時代なら、そいつも充分、アリだったんだが…)
 現に友達の家で寝てたぞ、と思うけれども、今は学生時代ではない。
 ブルーも友達ではなくて教え子、ブルーの両親は保護者なのだし、ハーレイが行けば…。
(立派に「お客様」でだな…)
 お客様な以上、「どうぞ」と勧められない限りは、昼寝は出来ない。
 もっとも、昼寝を勧める家など、そうそうありはしないけれども。
(…海辺の家なら、季節によってはあるんだろうが…)
 夏になったら海水浴で賑わう場所なら、客人を招いて海に行くことも珍しくない。
 海で泳げば、楽しくても体力は消耗するから、海から戻って来た後に…。
(おやつの前に昼寝でも、と涼しい部屋に案内してくれて…)
 ごゆっくりどうぞ、と言われそうではある。
 もちろん家人も別の部屋で昼寝で、起きているのはペットくらいで…。
(うんとゆったり時間が流れて、おやつの時間も遅めになって…)
 夕食も、遅い時間になりそうな感じ。
 起き出してくるのが遅かったならば、自然と全てがずれてゆく。
 夕方近くに冷えたスイカを切っておやつで、夕食は長い夏の日がとっぷり暮れてから。
(飯を食ったら、花火とかだな)
 海辺の夜だと定番だぞ、と思うけれども、ブルーの家は海辺ではない。
 当然、海水浴も無いから、昼寝を勧めてくれはしなくて、それで終わった夏休み。
 暇はたっぷりあったというのに、一度も昼寝をしないままで。


 その前は…、と更に遡ったけども、夏休みの前は、ごくごく普通の一学期。
 ついでに途中からの転任、最初の間は、どちらかと言えば忙しかった。
 かてて加えて、ブルーのクラスへ授業をしに足を踏み入れた途端…。
(あいつがいきなり、血を流したから…)
 腰を抜かさんばかりに驚き、駆け寄った時に記憶が戻った。
 自分は何者だったのか。
 大量の血を流して倒れたブルーは、自分にとって誰だったのか。
(其処から後は、あいつに付き添って救急車に乗って…)
 生きた心地もしなかった上に、聖痕なのだと分かった後は、人生がすっかり変わってしまった。
 ブルーと共に生きてゆこう、という方向へ。
 今はまだチビの子供だけれども、いずれは一緒に暮らすのだ、と。
(だからだな…)
 守り役という役目にかこつけ、せっせとブルーの家に通った。
 休日も、仕事が終わった後にも、時間さえあればブルーの家へと出掛けてゆく。
 ブルーの家で過ごす間は、当然、「お客様」なのだから…。
(昼寝をどうぞ、と言われるわけもないからなあ…)
 すっかり御縁が無くなったものが、忘れ果てていた「昼寝の時間」だった。
 昼寝は、心地よいものなのに。
 チビのブルーと出会うより前は、昼寝することもよくあった。
 休日にジョギングなどをした後、家に帰って、水分と栄養を補給してから横になる。
 昼寝する場所は、気分次第。
 寝室に行って、カーテンを閉めて、ベッドに潜るのもいいし…。
(レースのカーテンだけにしておいて、窓も開け放して…)
 明るい部屋でベッドに入って寝るのも、なかなかにいい具合ではある。
 庭の緑の匂いが届けば、山のホテルにいるような気分。
(リビングの床で寝るというのも、悪くないんだ)
 絨毯の上にゴロンと転がり、横には飲み物などを乗っけたトレイを置いておく。
 ふと目が覚めたら、起き上がって飲み物を口にして…。
(それからコロンと、また転がって…)
 夕方まで寝て、「いい日だった」と伸びをして起きて、夕食の支度。
 昼寝する前に用意しておいた、食材などを取り出して。
 「今日は有意義に過ごせたよな」と、大満足で。
 有意義も何も、かなりの時間を「寝ていた」くせに。
 昼寝の間は何もしなくて、家事も仕事も、何もこなしてはいなかったのに。


(しかし、昼寝の魅力と良さは、だ…)
 そういう所にあるんだよな、と思い返して、「寝ていないな…」と顎に手を当てた。
 ずいぶん長く「していない」わけで、これから先も、きっと出来ない。
 ブルーの家に出掛けてゆくなら、昼寝している暇は無いから。
 暇だからこそ「ブルーの家に出掛ける」勘定、ブルーの家では「出来ない」昼寝。
 お客様に昼寝を勧めはしないし、こればっかりは仕方ない。
(…うーむ…)
 前の俺だってしていないしな、と自分で自分を慰める。
 遠く遥かな時の彼方では、昼寝をしている暇は無かった。
 もう文字通りに「無かった」と断言出来るし、昼寝したのは「仮眠」と言う。
 白いシャングリラを預かるキャプテン、その立場では、のんびり昼寝をするなどは…。
(言語道断というヤツで…)
 けして許されるものではなくて、自分自身でも「許さなかった」。
 他の者たちが何と言おうと、「いや、大丈夫だ」とブリッジに立って「起きて」過ごした。
 昼寝に相応しい時間に寝たのは、緊張が長く続いて、休息の必要があった時だけ。
 「これ以上、起きて立っているより、寝た方がいい」と判断したなら、寝に行った。
 「すまないが、少し仮眠してくる」と、ブリッジの仲間に断って。
 どれほどの時間で戻って来るのか、それもきちんと伝えてから。
(でもって、部屋に戻ったら…)
 起きるべき時間にアラームをセットし、ブリッジの者にも頼んでおいた。
 「この時間になったら、起こしてくれ」と。
 「俺も目覚ましはかけておくんだが、万一ということがあるからな」と、念のために。
(…あの頃の俺に比べたら…)
 昼寝出来ないくらいが何だ、と思うけれども、昼寝していた頃の記憶も「ある」のが今。
 どんなに心地よいものなのか、今の自分は「知っている」。
 チビのブルーに出会うより前は、何度も昼寝をしていたから。
 子供時代から昼寝していたし、学生時代も友人の家で寝ていたもの。
 教師の仕事を始めてからは、気ままな一人暮らしなだけに…。
(気が向いた時に、ゆっくり昼寝で…)
 好き放題に寝られたんだが、と昼寝出来た頃が懐かしい。
 あの心地よい時は当分、自分の許には帰って来ない。
 チビのブルーの家に出掛けて、「お客様」をやっている間は。
 ブルーの家は海辺の家ではないから、お客様に昼寝を勧めはしないし、どうしようもない。
 まさか「昼寝をしたいから」と、ブルーの家には行かないで…。
(家でゆっくり昼寝したなら、あいつ、怒るどころじゃ済まないぞ…)
 俺だってそんな気分になれるわけもないしな、と思う以上は、お預けでいるしかないだろう。


 どうやら、ブルーと暮らし始めるまで、昼寝するのは無理らしい。
 昼寝に割ける時間は無くて、昼寝するような時間があるなら、ブルーのために使うべき。
 つまりは、そうする必要が無くなる時が来るまで、昼寝とは縁が遠のいたまま。
(…気持ちよく昼寝出来るようになるのは、あいつと暮らし始めてからで…)
 それまで我慢するしかないな、と思った所でハタと気付いた。
 「待てよ?」と、ブルーの顔を頭に描いて考える。
 ブルーと一緒に暮らしているなら、家には「ブルーがいる」わけで…。
(あいつが同じ家にいるのに、俺は昼寝が出来るのか?)
 果たして「それ」は許されるのか、と疑問がフツフツと湧き上がって来た。
 ブルーが家にいるというのに、「昼寝してくる」と部屋に戻ろうものなら、どうなるか。
(カーテンを閉めて、ベッドに潜り込む前に…)
 怒り狂ったブルーが追い掛けて来て、寝室の扉を開け放ちそう。
 バンッ! と凄い勢いで。
 「何をするの!」と、「昼寝だなんて、信じられない!」と血相を変えて。
(…あいつを放って、昼寝に行ってしまったら…)
 そうなりそうだ、と肩を竦めた。
 結婚して一緒に暮らし始めた、前の生から愛したブルー。
 それを放って昼寝するなど、デリカシーに欠けた行為でしかない。
 ブルーが怒りに燃えていたって、誰も「ハーレイ」に同情してはくれないだろう。
 「自業自得だ」とブルーの肩を持ち、ハーレイを責めることはあっても。
 「なんという酷い恋人だろう」と、呆れ果てた顔で手を広げはしても。
(…それはマズイぞ…)
 どう見ても俺が悪いじゃないか、と思うし、事実、そのように受け取られる。
 ブルーにも、耳にした他の人たちにも。
(俺は昼寝をしたいだけだというのに、そうなるのか…?)
 今と同じにはいかないのか、と思考を巡らせ、「駄目だな…」とフウと溜息をついた。
 ブルーと二人で暮らしているなら、ブルーを放ってはおけないだろう。
 「出会う前」のような昼寝のスタイル、それを実行してはいけない。
 もれなくブルーは怒るだろうし、世間の意見も、ブルーの方に…。
(同調するってモンだよなあ…?)
 多分、と「もう戻らない」昼寝の時間を思う。
 好きな時間に、好きなスタイル、それで寝るのが「心地よい」のに。
 昼寝の真骨頂とも言っていいのに、ブルーと暮らし始めた後には難しい。
 ブルーに合わせてやらないことには、ブルーの機嫌を損ねてしまって、昼寝どころでは…。


(なくなるよなあ、間違いなく…)
 寝室まで追い掛けて来られちまって、と思うものだから、工夫するしかないだろう。
 ブルーと一緒に暮らし始めた後、昼寝するなら。
 縁が遠のいている「心地よい時間」を、もう一度、取り戻したいのなら。
(…そうなると、あいつを誘うしか…)
 あいつも一緒に昼寝するしかないんだよな、と答えは直ぐに浮かぶけれども…。
(どうなることやら…)
 寝室はともかくリビングの床は、身体の弱いブルーには不向きかもしれない。
 下手をしたなら身体が冷えて、体調を崩してしまいかねない。
(それを防ぐには、あいつのための敷物か何かを…)
 調達して来て、昼寝の時には床に敷く。
 そしてブルーが眠りに落ちたら、上にも何か掛けてやらねば。
(…でないと、風邪を引きそうだしなあ…)
 ということは、俺は先には寝られないのか、と気付いて「そうか…」と苦笑した。
 前の通りの昼寝のスタイル、それは不可能になるらしい。
 一人で気ままに昼寝したのでは、ブルーのためにはならないから。
 ブルーが怒るか、体調を崩すか、どちらかに転んでしまう以上は、これからは…。
(昼寝するなら、あいつも誘って、あいつの面倒を見てやりながら…)
 寝るしかないっていうことだよな、とガッカリだけれど、それもいい。
 ブルーと二人で暮らすためなら、気ままな昼寝は捨てられる。
 どうせ遥かな時の彼方では、昼寝などしてはいないから。
 昼寝も無ければ、ブルーと二人きりでの暮らしも、夢でしかなかったのだから…。



           昼寝するなら・了


※ブルー君と再会してから、昼寝していないハーレイ先生。昼寝が懐かしいですけど…。
 これから先に昼寝をするなら、ブルー君より先には寝られないのです。世話してあげないとv







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